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結局「ヒゲダン」ってどこがいいの? Official髭男dismが多くの高校生を虜にしたワケ|TCPライティングコース受講者課題

出展:

ヒゲダン

「Official髭男dism」(以下、ヒゲダン)といえば、誰もがその名前を1回は聞いたことがあるバンドだろう。
曲の雰囲気は好き、周りの人が聴いているから自分も、という人は多いと思う。しかし彼らの楽曲の「どこがいいか」をたずねられたら、答えに詰まってしまう人もいるのではないだろうか。そんな人たちに、彼らの曲がとにかく大好きな私が思う「ヒゲダンの魅力」を紹介したい。

 

ヒゲダンはなぜこんなにも売れたのか?

まず、音楽ストリーミングサービス「Spotify」が発表した「国内で最も再生された楽曲」、「国内で最も再生されたアーティスト」などのランキングを参考に、ヒゲダン、「あいみょん」、「YOASOBI」、また「瑛人」などの楽曲から「流行るJ‐POPの共通点」として以下の3つの基準点を設けた。

  1. トリッキーすぎない分かりやすい曲
  2. 曲の背景にストーリー性がある
  3. 最初のイントロで「続きが聞きたい」と思わせる曲

また、インスタグラムを通じて、高校生に「自分が思うヒゲダンのいいところ」を集めた。私自身の考えとインスタで集めた意見をもとに、ヒゲダンの曲が①~③の基準にどれだけ当てはまっているかを考えた。

①の「トリッキーすぎない分かりやすい曲」の観点では、髭男はダントツ。人には好きな歌声、苦手な歌声があるものだが、インスタでは「声が心地いい」「高音が綺麗で聞きやすい」など、歌声を評価するものが多くみられた。ボーカル・藤原聡さんの、王道で綺麗な歌声は、誰にでも親しみやすくいつまでも聞いていたくなる心地よさがある。これは流行った理由の中で特に重要なものであると思う。

また、「歌詞の分かりやすさ」も多くの人が好き好んで聞く理由として挙げられるだろう。詩は比喩を用いて作られることが多々ある。しかし、それらを多用しすぎたりあまりにも遠いものに例えたりすると、情景が伝わりづらい詩ができてしまう。ほとんどのヒゲダンの曲を作っている藤原さんの歌詞には、それがない。もちろん比喩表現は使っているのだが、驚くほどナチュラルで美しい。例として、「Trailer」という曲を挙げる。この曲には、「鉄塔」や「ゆっくり」「ぼんやり」などといった速度を表す言葉とともに「紺碧のカーテン」という言葉が効果的に使われている。この表現により、ある時間帯を表している。おそらく多くの人が「夜明け」だと感じたのではないだろうか。確かに比喩を用いているが、分かりにくいとか伝わりにくいとかは全くなく、誰の頭にも同じような情景が浮かび、それによって歌の世界観が深く印象付けられる。それが、藤原さんの書く歌詞の強みであり、また不思議なところでもある。

②の、「曲の背景にストーリー性がある」はヒゲダンの得意分野。ドラマ・映画ともに人気を博した「コンフィデンスマンJP」や、ドラマ「恋はつづくよどこまでも」など、これまで多くの人気作品の主題歌を担当してきた。作品と見事マッチする歌詞の中にはドラマの内容がギュッと詰め込まれていて、まるであらすじを読んでいるかのよう。特に歌詞が作品とマッチしている曲は映画「ドラえもん のび太の宇宙小戦争」の主題歌「Universe」。Bメロの「伸びた(のび太)」やサビの「零点」など、歌詞の中に自然にドラえもん要素が取り込まれている。

また何かの主題歌として書かれていないものの、曲自体が一つの物語になっているものとして「115万キロのフィルム」が挙げられる。この曲は、恋人との生活を一つの映画にしていくことが主題となっている。ちなみに、題名の「115万キロ」にはとても重要な意味が込められている。映画のフィルム80年分は約115万キロ。人生を80年と仮定すると、この曲にはそれ分のフィルムを用意して、彼女との思い出をそこに収めていきたい、ずっと残しておきたいというテーマが隠されている。歌詞だけでなく題名にも深い意味があると思うと、よりヒゲダンの魅力を感じざるを得ない。

③の、最初のイントロで「続きが聞きたい」と思わせる曲とは、イントロの部分で曲の雰囲気を掴め、世界観に引き込まれる曲をさすと思う。CDを買わずとも曲が聞ける今の時代、イントロの時点で聞く人の心を掴むことは「流行る」ための大前提である。①の項目にも共通するが、ヒゲダンはほとんど全部の曲において、誰が聞いても伝えたいことが分かりキャッチーで、かつシンプルだ。それはサビだけではなく、イントロから当てはまる。例えば、「イエスタデイ」のイントロでは秒針という具体音(本来楽器ではないものの音)を取り入れることで時空の移動を表していて、聞き手を「過去」へと誘っている。

この章では3つの観点からヒゲダンが流行ったワケを考えたが、ヒゲダンは①~③までの項目すべてにおいて当てはまっていると思う。よって、ヒゲダンが流行ったのは、

  • トリッキーすぎず、シンプルで分かりやすい曲だから
  • 曲の背景にストーリー性があるから
  • 最初のイントロで「続きが聞きたい」と思わせるから

の3つの理由が主である。

誰もが引き込まれる魔法の世界「ヒゲダンワールド」

インスタで集めたヒゲダンのいいところとして一番多かったのは、「歌詞が共感できる」。高校生の心に刺さる曲として、「Stand By You」が好きだという声が多く上がった。やはり高校生には背中を押してもらえる曲が人気なようだ。また、「宿命」や「Laughter」も同様の理由で支持を集めた。

ここまで歌詞の良さを主に紹介してきたが、ヒゲダンにはライブにも魅力がある。私は先日、ヒゲダンのオンラインライブを鑑賞した。ライブだとピッチが上下したり、声が震えたりとCDやMVとは違う声や音になりがちだが、確かに藤原さんは声がブレたり本来の音からズレてしまったりすることがなかった。どんなシチュエーションにおいても自身の歌声を保つ、という藤原さんの魅力がより伝わってきた。

もし少しでもヒゲダンに興味を持った人がいたら、一度でいいから彼らの音源を聞いてもらえたらうれしい。そして少しでもいいなと思ったら、ライブや音楽番組での生のパフォーマンスを体感することもおすすめしたい。音源だけでは伝わり切らないヒゲダンの曲や藤原さんの歌声の良さが伝わると、私は信じている。

 

(執筆:7月期TCPライティングコース|高1・しーちゃん)

 

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