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【プログラムレポート】こんなに自由なんだ!グラレコで明日からのノートが楽しくなる

出展:

グラレコ カタリバ

▲『明日からのノートが変わる!?はじめてのグラフィックレコーディング』のグラレコ(参加者提供)

 

グラレコこと、「グラフィックレコーディング」。文字だけでなくイラストや記号も用いながら記録をとる、新しい記録のカタチです。

このグラレコを学べるプログラム『明日からのノートが変わる!?はじめてのグラフィックレコーディング(以下、はじめてのグラレコ)が、2021年6月5日(土)、カタリバオンライン for TeensのZoomにて開催されました。

イラストが好きな人はもちろん、ノートをとるのが苦手、記録の要点がつかめない人、16人の参加をいただきました!

この記事では、当日の内容やプログラムの2時間で生み出された素敵なグラレコの数々を紹介いたします。

大人気のグラレコ先生、降臨!

岸智子さん ひめ グラレコ

今回の講師は、岸智子さん。グラレコ講座では、「ひめ」という名前で活動されています。

旦那さまが経営する会社で経理や総務などのバックオフィス業務を仕事にするかたわら、週末は社会人向け講座の企画やグラレコなどのワークショップを開催していらっしゃいます。これまで開催してきたグラフィックレコーディング講座の参加者はなんと、累計2,000人超。最年少は8歳、最年長は82歳という幅広い年代の人に、グラレコを楽しむ機会を作ってきたそうです。

そんな“ひめ”さんいわく、グラレコの一番の魅力は「書き手の感情を記せる」こと。感情を記すとはどういうことなのかを、実際に手を動かしながら学ぶ、体験する時間となりました。

グラレコの基本を楽しく学ぶ

  • 絵が苦手
  • 絵心がない
  • 字が汚い
  • 漢字が書けない

これらは『はじめてのグラレコ』で出された、プログラム中に言ってはいけないNGワードです。

「描けない時の逃げ道がなくなってしまう……」

そんな参加メンバーの声が聞こえてくるような雰囲気に包まれましたが、「うまく描こう、やろうという気持ちは一旦置いておいて、とにかく描いてみよう」という心強いひめさんの言葉でプログラムが始まりました。

 

最初のステップは「今の気持ちを絵で表してみよう」

とはいえ、いきなり「描こう」と言われても、何を描いていいか悩んでしまいます。そんな悩める参加メンバーにひめさんから提示されたのが、天気予報のマーク。比較的誰でもイメージできて、描ける身近なイラストだけでも、自分の感情を表現できるという新たな発見が得られました。

 

そしてここで、ひめ流グラレコの極意が参加者に伝えられます。

“大事なのは「心が動いたことを描く」こと”

“グラレコは何気なく得たエピソードやその場で話し合われたことなどの「プロセス」が記せます。書き手の「面白い」が反映されるところがグラレコの魅力なんです。”

例に出されたのは、プロフィール。文章だけだと、自分によっぽど興味がある人しか読んでくれない可能性が高いところ、イラストや記号も用いたグラレコだと、興味を持たれやすいそうです。

グラレコ カタリバ グラレコ カタリバ

▲文章だけのプロフィールとイラストも入ったプロフィールだとこんなにも印象が違う!(岸さん提供)

調べれば事実が出てくる、今の時代。これがグラレコなら事実に「書き手が面白さや学びを得た部分」もプラスされます。それだけで唯一無二のオリジナルの情報となることは、確かでしょう。

事例とともに紹介されたこともあり、「自分のその時の感情を描く」ことの大切さが、参加メンバーにしっかりと伝わっていたようです。

 

まだまだ描く手は止まりません! 次のステップは「自己紹介を描こう」

ひめさんから提示された16個の絵を使って、自己紹介をしようというお題です。

グラレコ カタリバ

▲歯ブラシイラストを活用した自己紹介(運営メンバークリス提供)

イチから自分でアイデアを出して描くとなると、難しさもあったでしょう。しかし提示された絵をマネするだけなので、参加メンバーも構えすぎず楽に絵が描けたようです。ここで1つ、イラストが描けるようになったとも言えますよね。アレンジで表情を描いている人もいました。

また自己紹介もイラストを用いながらだと、言葉だけ、文章だけよりも気楽にできたよう。聞く人もイラスト自己紹介のおかげで、その人のことがすんなりとわかったり、意外な一面に気付けたりしたようです。

 

次のステップは、意外や意外。ここでグラレコの基礎とも言える、「線」と「記号」を描く練習が始まります。

まずは「線」のレッスン。縦横に直線、点線、雲みたいなフワフワした線、ジグザク線など、いろんなタイプの線を描いていきます。定規は利用せず、多少のゆがみも気にせず、どんどん線を引いていきます。

グラレコ カタリバ

▲線はゆがんだってOK(運営メンバークリス提供)

続けて練習するのは、「記号」です。グラレコのイラストはなんと、○(丸)△(三角)□(四角)の組み合わせで描けるんだとか。さらにイラストを描くことへのハードルが、グッと下がったようでした。

ただグラレコは、1つの記録方法です。ある程度スピードも必要であるため、記号を描くときは「一筆描き」がおすすめなのだそう。スピードを保ちつつキレイに描くには、特に△と□の角の部分をしっかり合わせることが大切だと教えていただきました。

 

線や記号の描き方のコツを掴んだら、お次は実際にそれらを活かしたイラストを描いていきます。

例えば○と線を活用すると……

グラレコ カタリバ

▲かわいいりんご(運営メンバーゆいと提供)

りんごが完成します。

しかもこのりんご、ただの「りんご」ではありません。発想をいかせば、「フルーツ」「果樹園」といった、そのもの以外の意味を持たせることもできるのです。イラストも連想でOKなところに、グラレコの自由度の高さが感じられます。

また、グラレコのイラストは完ぺきである必要はありません。例えば「地球」のイラストも、オセアニア大陸が抜けていたって大丈夫。文字や色で補足すればいいのです。

記号を組み合わせれば、もっと幅広い表現が可能に。

△と□の組み合わせでできるのは、家。

▲家と家だと住宅街、家とビルだと街といった組み合わせで表現の幅が広がる(運営メンバーゆいと提供)

この家も、家庭や家族といった意味を持たせることもできます。

さらに□も長方形を活用し、窓をL(エル)で書きこめば、ビルが完成。職場や仕事、会社と捉えることもできますね。

このように1つ絵が描けるようになると、3~4通りのバリエーションが生まれるのも、グラレコの自由さを象徴しているように感じられました。

 

参加メンバーのペンもどんどん進んできたようです。その勢いのまま取り組むステップは「表情を作ろう」

「感情を表現できる」のが、グラレコのいいところなので、表情の作り方も学んでいきます。

グラレコ カタリバ

▲バリエーション豊富な表情(参加者提供)

表情もこれまた簡単。線の角度と口の動きだけで、喜怒哀楽の表情が描けるのです。参加メンバーも、ますます「描ける」という自信をつけているように感じられました。

 

さて、ここまででイラストを描く下準備は整いました。次のステップは「8マスの枠をつくって、お題の絵を描こう」です。1マスにつき20秒で、出されたお題のイラストを描いていきます。

出されたお題は、「おやこ」「森」「温泉」「南の島」「わくわく」「ふわふわ」「むかっ」「あっ」の8つ。

グラレコ カタリバ

▲出された8つのお題(参加者提供)

短く感じられる20秒という時間が、意外に描ける時間だという気づきが得られました。

グラレコ カタリバ

▲同じお題でも表現の仕方はまったく違う(運営メンバークリス提供)

また参加メンバー同士、8つのイラストを見せあうと、「こういう描き方があるんだ」という新たな発見も。

同じお題でも、一人ひとり描くものは異なる――。この事実を通して、参加メンバー同士が「表現に優劣はない」と確認できたことはきっと、このプログラムでのおおきな収穫の1つになったと思います。

 

そして迎えた最後のステップ。出されたお題「ひめさんのお財布」について、グラレコを記していきます

これまでは単体のイラストを描いてきた参加メンバー。実際に記録として書くとなると勝手が異なりそうです。

ここで、ひめさんから「グラレコを描くコツ」が伝授されます。

    • とにかく描きだす
    • WHAT(事実)とWHY(感情)を大事に
    • 全部描こうとしない。自分の気持ちが動いた瞬間を描く
    • 描くのが間に合わない時は「聞く」に徹する
    • 1枚にまとめる必要はない
    • 人の目の動きを意識する(左から右・上から下・Zで描く)
    • 描き終わったあとに大事なところを丸や四角で囲う
    • 矢印を有効活用する(矢印は話の流れや状況の変化を表現するのに便利)
    • タイトルは大きく描く(文字のサイズを大きく、太字、ラインを引くなど)
    • 余白、めちゃくちゃ大事

特に「気持ちが動いた瞬間を描くこと」と「余白」は、大事だと仰っていました。グラレコは事実だけでなく、感情が付け足せ、そこが面白い新しい記録のカタチ。だからこそ、あとで付け足せる余白を残しておくことが、大切なんですね。

「意外と描ける!」「描き方が全然違うのが面白い」の声、多数

ひめさんから、“新しい記録のカタチ”のコツを伝授された皆さんのグラレコはこちら。

グラレコ カタリバ

グラレコ カタリバ グラレコ カタリバ グラレコ カタリバ グラレコ カタリバ

▲「ひめのさいふ」をテーマに描いたグラレコの数々(参加者提供)

ずっとケイト・スペード ニューヨークのピンクの財布を愛用しているという、ひめさん。どうしてその財布を使っているのか、またその中に何が入っているのか、最近の変化などを話してくださったのですが、見せ合ったグラレコは同じテーマで描いたとは思えないほど自由で個性的なものばかりでした。

 

参加者Mさん
“同じ線でも書き方が違うんだなと感じました”

参加者Kさん
“人によって書き方が全然違うのが面白かったです”

 

参加者の皆さんからも、グラレコが持つ表現の自由度の高さに驚きの声が続出していました。

 

また「絵が苦手」というワードが禁句となっていた、このプログラム。やはり絵への苦手意識を強く持った人も多数参加していたことが振り返りで明らかになりました。

 

参加者Yさん
“絵が下手だと思ってましたが、やってみたら意外と描けるという気づきがありました”

参加者Sさん
“字や絵を描くのが苦手でしたが、ポイントを押さえれば、ハードルが低いんだなと気づけました”

 

このように、記号や身近なものを活用すればいいグラレコを通して、絵を描くこと、記録を取ることへの苦手意識が和らいだ人もいたようです。

 

そして最後にプログラムの振り返りをした際には、プログラム名にも入っていた「明日」を意識した感想も多く聞かれました。

 

参加者Iさん
“絵が好きで参加しました。てっきり言われたことを描き映すだけだと思っていましたが、文字では表せない感情を絵で表現できるグラレコが素敵だなと感じました。授業中のノートにいかしていきたいです。電球とか旗とかすぐに活かせそう!”

参加者Rさん
“グラレコは、ただ人の話を聞いてまとめるだけでなく、自分の考えをまとめるのにも使えそうだと感じました。モヤモヤすることもあるので、自分の考えをまとめるのに活用してみようと思います”

 

自分の「面白い」「なるほどな!」という感情の動きも記録に残せる、グラレコ。自由に楽しく、聞いたことや自分の考えをまとめる手段として、普段の生活で大いに活用できそうですね。

グラレコが生みだす素敵な学びの循環

グラレコは、人の話を聞いたり、体験したりしたことを振り返る時、記憶を定着させたい時に使えるツールです。また、自分の考えなどを人に話す時に、わかりやすく伝えるツールにもなります。参加者の方の感想にもあったように、自分の中でまとまっていない考えを整理するために活用することだって可能です。

グラレコは、事実だけでなく感情を記す記録です。聞いたことが書き手のフィルターを通るため、話し手の意図とは違う部分も出てくるかもしれません。しかし、それを恐れることはないと、ひめさんは教えてくれました。

 

“すべて正しく描けなくても大丈夫です。今回みたいにみんなでノートを持ち寄れば、自分で気づけなかったことに気づけますから。みんなで余白を埋めればOK。グラレコでは、残したいと思うものを楽しく描く、書くことが、とにかく大事だと思います”

 

グラレコを続けていけばきっと、「描くことが楽しい」⇒「人の話を聞くのが楽しい」⇒「学ぶことが楽しい」という循環が生まれる――。『はじめてのグラレコ』を通して参加者の皆さんは、楽しい学びの循環が起こる可能性を感じとっていたように思います。

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