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自分の「好き」を周りの人にどうやって広める?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #04

 

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

しおりさんプロフィール

高校1年、埼玉県在住。競技かるた部所属
小学4年生から少年消防団に入団し、防災・防火知識の習得や訓練などに取り組む。
学校の探究授業でも「防災」「一次救命処置」をテーマに探究中。

「楽しそう!」直感に従ってはじめた探究活動

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

学校での探究はまだ始まったばかりですが、「一次救命処置」をテーマに取り組んでいます。「探究って何?」というのが正直な今の気持ちですが、自分の好きなこと、楽しいと思えることをしたいです。

学校外でも「少年消防団」に所属していて、防災や防火についての知識を習得したり、体験に参加したりしています。消防局に行って胸骨圧迫(心臓マッサージ)やロープの結び方の練習をしたり、火事現場で使っているマスクや酸素ボンベをつけてみるような体験をしたりと幅広いです。

普段関われない人と出会えたり、体験することが純粋に楽しいし、現役消防士や救急救命士さんなど、その分野のプロに話を聞けることが純粋に気になります。今は様々な体験をしながら楽しみながら覚えることが大事だなと感じてます。

 

▲消防局での一枚

 

Q:防災や一次救命処置に取り組み始めたきっかけは何ですか

小学4年の時に、社会科見学で「街探検」という授業があり、消防署へ訪ねたことがきっかけです。そこで「少年消防団」の募集を見つけ、純粋に面白そうと思って入団しました。防災についてゲーム形式で楽しく学べる体験や、普段関わることのできない消防団、救急救命士さんと話せることが魅力だと思いました。

あと、東日本大震災が起きた年に仙台で暮らしていて、当時のことも影響しているかもしれません。私はまだ幼かったのですが、自宅で水は出たけど電気が止まり、近所のみんなで集まって食事を作った記憶があります。地域で協力し合うことがとても大事だと感じた実体験があり、一次救命処置や防災に惹かれているところもあると思います。

いざというときに、傷病者を救える人を増やしたい

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

少年消防団に入団したのが小学4年生の時なので、かなり前のことになりますが、「防災」について知らないことが結構ありました。でも団体での活動を通して、防災や一次救命処置の知識が豊富になり、防災に対する考え方が変わりました。

学校での探究はこれからですが、団体での活動と合わせて、もっと防災について極めていきたいです。もし災害が起きたら、自分が率先して困ってる人を助ける側になりたいです。

「なぜわたしたちができることをしないといけないのか?」という質問をプログラム参加時にもみんなに投げてみたのですが、すでにテキストに書いてある答えよりも、それを自分で考えることこそに意味があるのかなと思ってます。

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

消防団で得た知識や自分の経験を、周りの人に広める機会を作りたいです。

実際に災害が起きたときに傷病者を救うには、多くの人が救命処置の知識や技術を持っていることが大事です。私もまだ極めている途中なのですが、いざというときに、率先して助ける人が一人でも増えて欲しいと思っています。まずは、防災に対して興味を持ってもらえる人を増やすために、自分でイベントなどを企画したいです。

「探究って何?」素朴な疑問から育まれた「積極性」

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

もともと授業の中で、「探究ってなんでやんなきゃいけないの?」って疑問を持っていて、「探究ってなに?」って最近頭の中をグルグルしていました。(そもそも「探」と「究」を組み合わせてる意味って・・・みたいな感じでした)

そんな時に、先生から探究ならカタリバオンラインがあるよと教えてもらいました。

ただ今回「イベントプロデュースコース」に参加したのですが、実は「イベント」ってどういうことを指しているかイメージができなかったんです。「イベントって何?体育祭や修学旅行のこと?」といった状態でした。プログラムの概要を読んでいたら自分のイメージしていたイベントの趣旨とは違っていて、少しハードルが高いように感じました。

正直不安もありましたが、全国の高校生と繋がりたい!同世代の子と話がしたい!と思って、わからないけど飛び込んでみようと参加してみました。

 

Q:「イベントプロデュースコース」に参加してみてどんな学びがありましたか

まずは楽しかったです!いろんな地域の人がいて新鮮だし、ここでしか聞けない意見や考えが知れて本当に良かったです。初日はとにかく心配で笑っていなかったと思うのですが、参加した高校生とZoomブレイクアウトルームで意見を深め合えるのがすごく良かったです。

学校だと、自分が発表した後に、みんなの意見や感想が聞きたくても誰も手を挙げて質問してくれない時もあるし、自分が次にどうすればいいか分からなくなる時があるのですが、カタリバオンラインではみんな積極的に自分の意見や感想を言ってくれるので嬉しかったし、自分の成長に繋がると思いました。

先生が質問しても誰も手を挙げずにシーンとしていて、私も話せないし、「頼むから誰か質問してくれ!」みたいな時もあるのですが、とにかく高校生同士で意見交換できるのが良いと思います。

あとは、自分でもびっくりなんですが、自分に自信を持てました。イベントプロデュースコースでは、最適なイベントの形式や練り方、タイムスケジュールの組み方など色々学んだのですが、最後に20分間自分でイベントを実践する場があったのが大きかったと思います。

コース受講後、学校で2分間の探究発表をする機会があったのですが、以前の私なら「2分は長いな・・」「探究だるいな・・」といった気持ちになっていました。なのに、2分だと全然足りない!と感じている自分になっていて驚きました。

 

Q:コース受講後、探究活動に対してどのような変化がありましたか

探究に対して積極的になりました。元々は学校に放課後残って活動することはしないタイプだったのですが、探究リーダーになり、放課後に他のリーダーと集まって課題や改善策などを話し合っています。

今の課題は、探究を学年別で進める形になっていて、他の学年と「探究」を通しての繋がりがないので、学年を越えて、交流が深まる機会を作りたいと思っていますし、もっと学校全体で取り組めたらいいなと考えてます。また、グループで分かれてテーマを推敲し合う際に、同じジャンルのテーマを持つもの同士を集めることで、自分のテーマに近い内容で取り組んでいる友達にアドバイスをもらえるし、知識も広がると思うので、グループ分けについても提案したいです。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

私自身も「探究って何?」からスタートしたし、探究の意識が芽生えたのがここ最近でした。もっと自分の考えが深まったら改めて何か出てくるかなと思いますが、まずは自分の追求したいことに対して行動したり、人に話す機会をつくることが大事だなと感じてます。