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自分が知らない世界で何が待ってるんだろう?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #15

 

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

ゆうきさんプロフィール

高校3年、兵庫県在住、硬式テニス部
「日本の教育」を変えたいという想いをもって課外活動にチャレンジ。探究活動の楽しさを知り、大学、そしてその先の起業に向けて視野を広げるために積極的に活動中。

 

「日本の教育を変える」高校生である自分たちにできることから始める。

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

私は「日本の教育」をテーマに活動をしてます。

日本の教育では、偏差値だけでその人を見る傾向が強いと感じています。確かに偏差値はスキルの一つだと思いますが、「偏差値=社会で活躍できる能力」というのは違うと考えています。社会で必要な力と言われる非認知能力や、答えのない問題を解決する力、そういったことを身に付けられるように教育を変えていきたいです。

ワガママSDGsというプログラムに参加し、グループでプロジェクトに取り組んでいます。
高校生がやりたいテーマごとに分かれ、活動資金をもらい、ヒアリングや社会人にも協力してもらいながらグループワークをしていくのですが、私が参加しているグループは「偏差値主義すぎる社会を変え探究型の授業を進める」ことを目標にしています。

大学受験などの制度自体を変えることは時間もかかり難しいですが、高校生である自分たちだからこそできることを意識しています。
文部科学省は新学習指導要領などで探究型の授業をすすめようとしていますが、正直現場の先生はこれまでや ったことの無い授業なので急にやれと言われても難しいと言う状況です。なので先生方が探究型の授業をやりやすいように高校生目線から協力したいと思っています。例えば、なぜ探究授業ができないのか?をテーマに先生と討論会をしたり、実際に自分たちで小学生に授業をして、高校生目線で先生もやりやすくなるようにサポートしたり、私たち生徒側から働きかけていくようにしていきたいです。

ただ、まだ知識が少ないので、まずは先生たちや教育に関わっている企業、団体にヒアリングをしています。その後に、自分たちで考えをまとめ、整理した上で署名活動をする、探究の重要性を伝える、そして文部科学省と一度話をしてみてより目標に近づくために自分達の考えを洗練したいと思っています。

 


▲課外活動での様子

 

Q:日本の教育に興味を持ち始めたきっかけは何ですか

私は公立の小中学校に通っていたのですが、「授業で習っていることは社会で使えるのか?」と疑問を持ったことが最初です。先生が説明するのを聞くだけの受け身の授業が多かったですし、社会も暗記が多い。本当に大事なのは、年代とか名称じゃなくて、「なんで●●が起きたか?」などを生徒同士でディスカッションして、学びを深めることじゃないかと感じてました。
また、小学校の時から探究を勉強するスクールにも通っていて、社会問題の討論などを行い、実際に両方を体験したことで、本当に必要なのはそういった学び方なのではないかと思いました。

 

海外、起業。まだ見たことのない世界にどんどん飛び込みたい。

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

まず単純に探究活動が楽しいと知りました。
最初は活動を活発にしている人をすごいなと見てるだけで、それがどんなものなのか、自分はしなくてもいいかなと思ってました。

でも実際積極的にやってみると、外部と関わる機会が増え、テーマについて考えるのがとても楽しかったです。1~2年生の間も学校の授業の中である程度取り組んでいたのですが、3年になり外に活動を広げていくと関わる人の数が全然違うし、先生が教えてくれたり守ってくれず、自分が出ていかないといけない。その分、学校外での繋がりや全然知らない世界が知れるのでワクワクします。

正直、課外活動を始めるのが遅かったと後悔しています。
部活で忙しかったのもありますが、今学校外の高校生と一緒に取り組む中で、高1から課外活動に参加している人は自分より経験やスキルを持っていてアイデアが豊富だし、教育系企業のインターン先に高校1年の人もいるのですが、自分よりもできることがあり少しショックを受けました。

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

将来は起業家になりたいと思っていてとにかく色々なことにチャレンジしたいです。
事業内容は明確に決まってないですが、人脈を増やしたり、新しい世界と触れ合うことが大事だと思ってい ます。人生を本当に楽しむためには、人生の大半を占める仕事を全力で楽しむことが必要だと思います。そ してその仕事を全力で楽しむために自分で何かを作り上げて、何もないところから新しく生み出したいと思っています。起業するには様々な覚悟が必要なので不安もあるけれど、人生を本当に楽しむために、教育に 関してやりたいことを明確にしたいと思っています。

高校生の間は、インターンや課外活動ができる団体やイベントに出て、そこで出会う同年代の人たちと一緒に活動して、どんどん世界を広げたいです。学生団体を立ち上げている人、学校を作ろうとする高校生、インターンをしてお金を稼ぐ人。そんな人たちが色々なところで繋がっていて、こんな世界があるのか!と感動します。

そして大学生でも今やってる活動をさらに広げたいです。大学では国際系の学部に入り留学をしたいです。海外のことなど新しいことを知りたいし、今は日本の教育を日本の中で見てますが、問題意識を持ってることにどんな違いがあるのか、海外との比較も実際に行ってみないとわからないと思います。海外の教育はどんなものか知りたいですし、様々な価値観の人と関わって視野を広げたいです。

 

自分がやりたいことに必要なスキルがたくさん学べる場所。

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

課外活動で出会った方に教えてもらい、「イベント企画」と「SDGs」のプログラムに参加しました。
正直、高校生に無料でこんなにスキルアップさせてくれるサービスがあることにすごい感激しました。幅広いスキルを身に付けることができ、まずはイベント企画を学び、実践してみてファシリテーションのスキルを次に学ぶ、など自分がやりたいことに向けて必要なスキルを学べる場所だと思ってます。

また、参加する高校生も自分のやりたいことを持っていて刺激を受けますし、例えば気候変動のテーマについて高校生同士でディスカッションすることで、自分の考えも深まりました。今の日本だとSDGsもまだまだ他人事感がありますが、全国の高校生と共通のSDGsについて話すことができて面白かったです。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

私は高校3年になってから校外の課外活動をスタートしました。まだやっていない人からすると、未知の世界だと思うし、正直難しいし、うまくいかずにストレスになることも多いです。でも、始めてみて思ったのは、いろんな人と関われることで新たな発見もあり、とても楽しいです。今何をしたらいいかわからなくても、やっていくうちに、興味や将来の夢も見つかるかもしれないですし、今後にも何か繋がるものだと思うので、ぜひ一歩踏み出してみてほしいです。