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どうしたら自信を持って意見を言えるのだろう?/”問い”を育む 高校生たちの物語。 #21

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

むらさきさんプロフィール

高校2年、奈良県在住、生徒会所属
「指定難病」をテーマに、マイプロに取り組む。好きなアーティストが出演していた映画をきっかけに、自分たちが知らない大事なことを伝えていくのが今の目標。

 

好きなアーティストが出ている映画から始まったマイプロ。

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

マイプロのテーマは、「指定難病」についてです。

「指定難病」とは、治療法や薬が現時点ではない病気のことで、長期にわたって治療が必要となることがあります。今感じてることは、自分自身が当事者として考えるのが難しく、とても重いテーマですし、楽しいという気持ちでは調べづらいということです。

だからこそ自分に何ができるのかを考えたいと思います。自分一人でどうにかできるものではないので、どうやったらみんなに知ってもらえるか、どうしたらみんなに伝わりやすくなるかを考えながら取り組んでいます。

今後のアクションとしてまずは、「指定難病」についてどれくらいの人に認知されているのか調査したいので、学校の全校生徒、母の職場の調剤薬局の方、保健所の方へアンケートを実施します。

 


▲現在取り組む「マイプロジェクト」のワークシート

 

Q:「指定難病」に関心を持ったきっかけは何ですか

最初のきっかけは、「10万分の1」という映画を見たことです。
好きなアーティストが出演していて見たのですが、涙が止まりませんでした。
主人公が高校生の女の子で、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という指定難病にかかり、自分の残りの人生を生きていく物語なのですが、自分と同世代ということもあり、とても共感しました。彼氏と楽しく日常を過ごしている中で足に異変を感じ、特別検査を何度も受けてALSということがわかります。立ちたくても立てず寝たきりになり、卒業式にも出れずに卒業を迎えることになります。

その映画を見たときに、ALSは今後誰に起こるかもわからないし、周りの人にこのことを知ってほしいと思いました。なぜ「指定難病」というテーマなのか自分自身の中でもまだ明確にはわからないのですが、親が医療事務の仕事をしていて、そこからの影響もあると感じてます。病気・医療・薬といったテーマに興味があり、まずは取り組んでみようと思いました。

 

小さなことでもいい。自分にできることから始める。

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

まずは生徒のみんなに「指定難病」の存在を伝えていきたいと思います。

そのために自分が取り組みたいと思っていることが2つあります。
1つ目は、10月中旬に生徒会長になったばかりなのですが、今後学校として指定難病の方への支援ができないかと考えています。まだ実現できるかはわからないのですが、実施できるようこれから動いていく予定です。
2つ目は、学校のHRの時間などを使って、先生に「指定難病」についての授業を取り扱っていただけないか提案する予定です。

また、難病にもたくさん種類がありますが、私自身も映画で物語として知ったように、実際にスライドなどに落とすときにも、わかりやすく工夫していく必要もあると思っています。

そして将来は、医者になるとかそういうことではないですが、今テーマにしている領域に携われるといいなと思ってます。

 

自分の意見を伝えることの大切さに気づけた。

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

先生からの紹介で知ったのですが、外に出て話すのに慣れること、そういう場に出ることで自分自身も成長できると思ったのがきっかけでした。
その時に、めのさんの高校生企画が開催されているのを知り、まずは参加してみようと申込みました。

 

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

めのさんの「高校生企画」は、正直こういう場は初めてでしたが、一方的に聞くだけでなく、Zoomのブレイクアウトルームで他の参加者と交流できるのが良い経験でした。カタリバオンラインは何を言っても否定されない空気があり、自分が思っていることを伝えられると感じています。

その後、生徒会で活かせそう!と思い、「イベント企画力」に参加しました。いざ参加してみると、自分が思ったように進めることができませんでした。なので、「イベント企画力」に再度応募してチャレンジしたいと思います。

何より、カタリバオンラインに参加している高校生は、みんな自分の意見を大事にしているのが印象に残っていて、私自身にも少し変化がありました。文化祭のスローガンを生徒会で決めるとき、色んな意見が出ている中で、自分の意見を自信を持って言わないと損だなと勇気をもって伝えた結果、私のアイデアが採用されることになりました。
今までは、否定されるかなとか、陰で何か言われるかな、という思いがあって言えないことも多かったですが、空気がちょっと重いなと感じる中でも、自分の意見を大事にはっきりと伝えられるようになったと感じます。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

自分の意見を大切に伝えること、そして興味を持ったことは恥ずかしがらずに聞くことが大事だと考えてます。
普段から大人の話を聞いたり、学校でも分からない時はしっかり質問することを意識しています。そうすることで、人とコミュニケーションする中で受け答えがスムーズになっていくし、マイプロや探究活動にも繋がっていくと思います。