マガジン

どうすれば地域の若者同士の繋がりを生み出せる?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #68

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

 

啓さんプロフィール

山形県に住む高校3年生。人前で話すことが好きで、中学の時に弁論大会に出場、今は放送部で朗読をしている。地元の魅力を発信し、地域の若者同士の繋がりを生み出す活動に取り組む。趣味は音楽を聴くこととプロレスを観ること。

 

思い出の小学校が閉校… 地元への想いが芽生えた

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

 

「かみのやま若者つながらナイト」というグループの中で発足した「かみのやま若者しゃべらナイト」という企画と、「カミノヤマクエスト」という謎解きイベントを行いました。

 

「かみのやま若者しゃべらナイト」はポッドキャストで、半年くらい前から配信しています。もともと上山市のPR活動に関わっていたのですが、放送部をやっていることもあり、自分の強みを活かせたらと思って、声で地域の情報を届けるラジオ番組を企画するようになりました。高校生の視点で今の地元の面白さを伝えるために、地元で話題の人をゲストに迎えたりもしています。3回放送したところなのですが、リスナーの方からお便りをもらったり、一緒に放送を作り上げてくれる人がだんだん増えてきてうれしいです。町の情報が気軽に耳に入ってくるようなメディアにできたらいいなと思っています。

 

謎解きイベント「カミノヤマクエスト」も、地域PRのために開催しました。上山温泉の伝説をもとにシナリオを制作して、脱出ゲームを作りました。ロールプレイング型にするために動画を撮影して、ナレーションを入れて編集したりしました。市内の若者が集まって繋がりを生み出す場として企画し、町づくりに関わってみたいけど一歩踏み出せずにいる若者を集めることを狙いとしました。

 

私の地元は人口が2万人程度で、通っていた小学校も閉校してしまって、過去の思い出がなくなってしまうような気がして寂しく感じました。何よりも若者の交流が薄れることに危機感を持って、こうした町づくりの活動を始めるようになりました。

 

ポッドキャスト収録の様子(かみのやまさいぐべ)

 

人との繋がりが増え、視野が広がっていった

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

 

町づくりをしながら、自分と同じようなことを考えている人との繋がりが増えていくことにやりがいを感じています。以前は「町づくりに関わりたいけど何をすればいいかわからない…」と感じることが多かったのですが、私のことを知ってくださる大人の方がだんだん増えてきて、「こういう時は誰に頼ればいい」といったことがわかるようになってきました。自分たちの活動を知って応援してくださる方との繋がりが強まったなと実感しています。人と話すことも得意になりました。

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

 

町づくりは同年代の人に広がっていかないと意味がない活動だと思うので、もっと多くの認知が必要だなと思っています。声を使って地域に貢献できることは自分にしかできないことでやりがいを感じているので、これからも続けていきたいです。

一方で、地元が外からどう見られているかも知りたいと思い、県外の大学への進学を考えています。地域の外からももっと注目される町をつくるにはどうすればいいか、ということについて深掘っていきたいと思っています。

 

やりたいことに挑戦したことが、今に生きている

 

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

はじめは、地域づくり関連のプログラムに何度か参加しました。地域づくりコンサルタントのハマーさんに町づくりに関していろいろ質問できたのは、今の私の活動のベースになっています。

プログラム内で新しくできた友達に「高校生企画をやるから来てよ」と言われて参加してみたら、自分でイベントを企画することもできるんだと知って、「ワークショップデザイン」(現在の「学びプロデュース」)にも参加し、高校生企画(現在の「好奇心のトビラ」)を実践するようになりました。

 

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

 

ワークショップデザインに一緒に参加した高校生たちは、「安全な水」「フェアトレード」などみんな興味の方向が違っていたので、いろんな視点を持った生徒同士で「ここはどういうことなの?」と聞き合って、それぞれのテーマに詳しくない人に向けたゼロからの資料作りができたことがよかったです。大学生キャストの皆さんが、振り返りシートに長文のアドバイスを書いてくれたのもすごく嬉しかったです。

また、高校生企画のリハーサルの際に、参加対象者を絞り込むことで企画内容の解像度が上げられることを、キャストの方たちに教えてもらいました。それが、今やっている謎解きイベントの企画にも役立っています。

 

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

高校生は自由に動けるし、責任を取ってくれる大人がいるので、やりたいことにチャレンジできる年だなと思います。またカタリバの良さは、「がんばる」のではなく「楽しいことをやろう」というスタンスで、やりたいと思ったことを突き詰められるところだと実感しています。「人と話すの苦手だな…」とか、「自分がやってることって本当にあってるのかな?」と思っている子もいるかもしれませんが、まずは自分から伝えたり動き出すことを大切にしてほしいです

 

▼啓さんが実施した高校生企画はこちら!▼

「仲間」を増やしてENJOY!まちづくり〜活動を盛り上げる繋がりの作り方〜(25年4月23日実施)