障がい者の捉え方をもっと明るいものにするには?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #66
2025.03.07 UP
「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。
日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。
かえでさんプロフィール
神奈川県在住の高校2年生。委員会活動や実行委員に積極的に参加しながら、弓道部に所属し、日々練習に励む。趣味はJ-POPを聴くことやお菓子作り、絵を描くこと。また、手話にも興味があり、学びを深めている。 |
学校の中で感じた「疑問」から始まった
Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください
私の探究テーマは 「障がいのある人と健常者がもっと自然に関われる環境をつくること」 です。きっかけは、中学時代に特別支援学級に通う友人たちと過ごした経験でした。私の学校には特別支援学級の生徒がいたものの、通常学級の生徒と関わる機会はほとんどなく、お互いが接点を持つことの難しさを感じていました。もっと自然に関われる場があればいいのに、という思いが強まり、探究テーマとして本格的に取り組むことを決めました。
高校生になってからは、より具体的なアクションを起こし始めました。まず、障がいのある方が通う施設を訪れたり、聴覚障がい者向けのイベントに参加したりして、実際に関わる機会を増やしました。また、特別支援学校の見学を通して、障がいのある子どもたちがどのような環境で学び、生活しているのかを知ることができました。こうした経験を積む中で、「知識として学ぶだけでなく、実際に関わる場が必要だ」と改めて実感しました。
▲音声等の言語を文字に変えて“みえる”化する技術を活用した「みるカフェ」へ訪問
知らない「恐れ」の壁を越え「理解したい」へ変わった瞬間
Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか
探究活動を通じて、私は「相手を知ることの大切さ」を学びました。例えば、以前は障がいのある人に対して「怖い」とか「どう接すればいいかわからない」といった感覚を持っていました。しかし、実際に関わる中で、一つ一つの行動には意味があり、相手を理解することでコミュニケーションの壁をなくせることに気づきました。
また、探究活動を通して「言語化する力」も身についたと感じます。自分の考えや思いを伝えるのが苦手だったのですが、活動を進めるうちに、相手に伝わる言葉を選ぶ力が少しずつ養われてきました。特に、特別支援学校の先生になりたいという夢を持つようになり、より多くの人に障がいについて知ってもらうために、自分の考えを発信することの重要性を実感しています。
Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか
まずは、実際に「小学生から大学生まで世代を超えた学生と障がいのある人たちが関われる場」を作ることに挑戦したいです。
今の日本では、大人になるまでに障がいのある人々と関わる機会が限られており、そういった現状が会社で障がい者を避ける原因になっているのではないかと考えました。そのため、子どものうちから障がいのある同年代の子ども同士で関わる機会をもっと増やし、仲を深めて身近に感じてもらうことが、障がい者に対する間違ったイメージを軽減させ、差別も減るのではないかと思いました。
例えば、定期的に開催するオンラインの交流会や、実際に障がいのある人と接することができるワークショップのようなものを考えています。こうした場を通して、お互いの違いを知るだけでなく、一緒に何かを楽しんだり、学び合ったりする経験ができる仕組みを作りたいです。ただ、集客や運営の方法についてまだ課題が多いため、どうすれば多くの高校生に興味を持ってもらえるのか、どんなテーマが参加しやすいのかを試行錯誤しながら進めていきたいと思っています。
また、将来的には特別支援学校の先生になり、現場での経験を積んだ後、全国の小中高校生に向けて講演活動を行いたいと考えています。私自身、障がいについて深く知る前は「どこか遠い存在」のように感じていましたが、実際に関わる中で「同じ社会を生きる一人の人」として接することの大切さに気づきました。だからこそ、多くの人に障がいを特別なものではなく、身近なものとして捉えてもらいたいのです。そのためにも、学校教育の中で障がいについて学ぶ機会を増やしたり、実際に関わる経験を積める場を広げたりすることに貢献したいと思っています。
誰もが自然に関われる社会をつくるために、まずは自分自身ができることから積極的に取り組んでいきたいです。
1年間、1人で悩んでいても、答えは見つからなかった!
Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください
探究活動を進める中で「行動しなければ何も変わらない」と気づき、何かできる場を探していたときにカタリバオンラインを知りました。ただ、参加するまでには1年ほど悩んでいました。「自分にできるのか?」「レベルが高そう」など、不安がありました。
しかし、高校2年生になったとき、「このままでは何も変わらない」と思い、インスタグラムで偶然見かけた11月期の「実践コース:ワークショップデザイン」に思い切って申し込みました。ちょうどその日は予定が空いており、迷っている時間はないと感じて即行動しました。
Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか
最初は緊張していましたが、参加者のみんなが温かく迎えてくれたことで、徐々に安心して話せるようになりました。特に印象的だったのは、自分のアイデアに興味を持ってもらえたことです。全国の高校生たちと意見を交わす中で、新しい視点を得られ、「自分の考えをもっと発信してもいいんだ」と自信を持てるようになりました。
また、自分と同じように「社会をより良くしたい」と考えている仲間と出会えたことが大きな収穫でした。これまで、周りに同じような思いを持つ人が少なく、孤独を感じることもありましたが、カタリバオンラインでの出会いが、自分の探究を続ける大きなモチベーションになりました。
Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!
今、やりたいことが決まっている人も、まだ探している人も、一歩踏み出すことが大切です。私は、やりたいことがあってもなかなか行動に移せず、1年も悩み続けました。でも、思い切って動き出してみたら、新しい出会いや学びがたくさんありました。
カタリバオンラインには、同じように悩んでいる高校生や、行動を起こしている仲間がいます。自分の考えを話すことで、新しい気づきが得られるし、自分自身の成長にもつながります。迷っているなら、ぜひ一度参加してみてください。きっと、あなたにとっての大きな一歩になるはずです!
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