私を変えた挫折と「校外活動」との出会い|TCPライティングコース受講生課題
2021.07.27 UP
今、あなたには自分らしくいられる居場所はありますか?「あるよ!」「毎日楽しい!」という人もいれば、「自分を外で出すのが苦手でそういう居場所はあまりないかも」という人もいると思います。
私もかつては、自分を表現したり自分の意見や思いを人に伝えたりするのが苦手でした。
そんないわゆる「コミュ障」だった私ですが、あることをきっかけに人と話すことが大好きになりました。
それは「校外活動」です。
真面目で完璧主義だった私の挫折
私は中学生の頃までどこにも居場所を感じられずにいました。大好きな友達も家族もいるけれど、通っていた中学になじめなかったからです。そんな自分が嫌いで仕方がなかった私は、とにかく勉強をし続けました。勉強ができれば周りに認められると思ったのと、勉強ができる自分だけは私自身も認められると思っていたからです。
実際に中学生の頃は成績も良く、高校受験も第一志望の学校に合格することができました。このときはとても嬉しくて、ようやく自分らしくいられる学校に行けると大喜び。
しかし、高校一年の夏に私は体調を崩すことが多くなり、学校に行けなくなってしまいました。当然、授業に出ていない日が増えるので勉強も出来なくなっていきます。唯一自分が人に誇れる「勉強」という強みを失った私は自分に失望し、もともとネガティブだった思考のせいもあって、「勉強が出来なくなった自分の価値ってどこにあるんだろう」と自分の存在価値が分からなくなっていく日々がやってきます。最終的に、在籍していた全日制高校から通信制高校に転学しました。
「普通」の幻想に気づいた頃、校外活動に出会った
いざ通信制高校に転学してみると、髪をカラフルに染めていたり、各々の好きなファッションを満喫していたりする同じ高校の学生たちに私は衝撃を受けました。なにより一番驚いたのは勉強の面で、今までは「勉強が出来ないと死ぬ!」くらいに思っていた私が、「自分のペースで出来ればいいさ~」くらいの雰囲気の高校生達に囲まれたことで「なんだ、案外勉強が出来なくても生きていけるのか」と思ったのです。さらに多様性溢れる通信制高校で過ごしていくうちに、今まで自分が無意識に自らに課してきた「普通」のレベルの高さに気づきました。当時の私が考える「普通」は「良い高校」「良い大学」に入り、「良い会社」に就職するということ。特に私は「勉強以外は他の人より劣っているのだからせめて勉強だけでも人並み以上できないといけないと!」と思い自分で自分を追い込んでしまいました。きっとその苦しい思考があったから高校に入学して心がパンクしてしまったのでしょう。そして、「勉強が出来ないから、もう人生生きていけない」という訳ではないことを転学を通じて私は徐々に理解しました。
「せっかく全日制高校にいた頃より自由な時間が増えたのだから、他の高校生が出来ないことにチャレンジしたい!」
これは徐々に体調が回復した私に芽生えた思いです。ちょうどその頃、私は学校の近くの図書館で高校生向けのフリー雑誌と出会います。内容は芸能人の方や企業の社長へのインタビューから話題のアーティストのライブレポートまであり、どのページの写真も素敵なものばかり。「すごい、これが無料でもらえるなんて!」と感動していたら、最終ページに目が止まりました。
「あなたもスタッフになりませんか?」
この文章を読んだとき、「これだ!」と心臓が飛び跳ねたのを一年以上経った今も鮮明に覚えています。しばらく感じていなかったワクワクが湧いてきてとても嬉しかったことも。そして私はこのフリー雑誌のスタッフ活動を始めたのをきっかけに校外活動をスタートしました。
ありのままの自分を受け入れる
校外活動を始めて、自分の苦しい思考が少しずつ楽な考え方に上書きされていきました。例えば、私は他の人から嫌われることを過度に恐れていたのですが、校外活動で複数のコミュニティに入り様々な人と関わりを持つ中で人と話すことが楽しさを知りました。また、いくら自分が努力してもどうしても波長が合わない人もいるし全員に嫌われないことは不可能なのだということも。この時期はちょうど新型コロナウイルスが世界に蔓延し始めた為、活動はほとんどがオンラインでした。それがもどかしいという高校生もいましたが、インドア派の私にはとても向いていたのです。毎日のようにzoomで様々なオンラインイベントに参加し、遠く離れた初対面の人々と画面越しで出会うことは私にとって刺激的でワクワクの連続。その楽しさの虜になったからこそ私は今でもオンラインでの校外活動を続けています。始めた頃と変わったのはだんだんとオンラインでは満足できなくなってオフラインでの活動もするようになったことです。校外活動を始めて一番嬉しかったのは活動で出会った優しい方々のおかげで自分はありのままでいいんだと思えるようになれたことで、今は毎日がとても楽しく、ワクワクする毎日を送ることが出来ています。
それでも私は前を向く
転学を決めた時は本当にどん底にいる気分でした。でも、そこから私は変わることができたと今は思います。もし当時の自分に会えるなら「つらい決断だったけど、そのおかげで今の自分があるから良かったよ。ありがとう。」と伝えたいです。
私は今でも時々、どん底にいたときのような気分になってしまうことがあります。それでも、あの挫折と校外活動で学んだことがあるから前を向こうと思えます。それは、良いことにも悪いことにも必ず終わりがあり、どんなにつらい状態も永久には続かないということです。それから、ありのままの自分を受け入れてくれるあったかい人達が必ずいるよということも。
もし、今これを読んでいるあなたが「どこにも居場所がない」と感じていたら一度いつもの場所から出て、今まで行ったことのない外の世界に足を踏みだしてみてはいかがでしょうか。例えばSNSで同じ趣味の人と繋がったり、お気に入りの本屋さんや行きつけのカフェを見つけたり、新しく習い事を初めてみたり。もちろんこのカタリバオンラインで遠く離れた同年代の人と繋がってみることもひとつの選択肢です。もしかしたらそのひと絞りの勇気があなたらしさを大事にすることや、大好きな人々との出会いにつながるかもしれません。きっと誰にでも居場所はあるし、自分らしくいられる居場所があるはずです。
(執筆:7月期TCPライティングコース|高3・もも。)
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