「やってみたい」を妥協する経験は悪いこと?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #63

2024.11.29 UP

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

しほさんプロフィール

長崎県の高校に通う好奇心旺盛な高校2年生。音楽と歴史が好きで、特に公共の授業に興味を持っている。学校の探究活動では、教育を選択し、親の子どもに対する教育についてチームで取り組んだ。幅広いテーマについてもっと知りたいと思っており、意欲的に活動している。

 

共通した「教育」でスタートしてみたものの、想いをまとめる難しさを実感

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

 

学校での探究活動は、「教育」に興味のあるメンバーでチームを組んで進めました。活動当初のテーマは、「正しさとは?」という大きな内容だったため、今年8月まで試行錯誤を繰り返して、最終的に「親の教育が子どもにどんな影響があるのか」に絞り込みました。

実際にやってみたアクションとしては、保育園の先生へインタビューをしたことです。インタビューを受けてくれた先生は、先生と母親の両方の視点から丁寧に答えてくれました。

驚いたことは、教育する立場によって1人の子どもに対する接し方や眺めている視点に大きく違いがあることでした。

 

11月初旬に最終発表会があったため、学校の授業としては一通り探究活動は終了しています。進級してからも探究学習は続いていくので、次のテーマについて悩んでいる最中です。今年進めているものを継続することも可能ですが、違うテーマの探究をやってもいいので、「どうしようかな」と思っているところです。

 

▲探究活動の構想をまとめたメモ

 

自分のやりたいテーマを妥協して得た教訓

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

 

探究活動は正直なところ、挫折しまくりだったなと改めて感じています。

親の教育の良し悪しを判断できるのか?自分たちの物差しになってしまわないのか?と

先生に問われて、チームで本当に悩みながら活動をしていました。

 

最終発表の日が決まっており、時間が限られていたため、幼少期の人間形成について研究している大学に訪問して情報収集までは終わっていたのですが、答えは1つだと言い切れないので余計難しくなってしまいました。DNAも関係していることも分かってきたのでこちらの手に負えないなと。

 

保護者のリアルな声をもっと聞こうと思い、アンケートの準備を進めていたのですが、思っていたよりも苦戦することになりました。質問項目がプライバシーに関することばかりで、正直に答えてくれるのか検討していたら、あっという間に発表の日になってしまい、準備が間に合わなかったという経緯がありました。アンケートの内容について、答えてくれる人に配慮することが難しかったです。探究を始めた当初は、こんなにオオゴトになると思っていませんでした。

 

もし、探究学習を開始する4月の自分に声をかけるなら、「やりたいことをやった方がいいよ。」と伝えたいです。最初にテーマを決める際に、まずクラスで話し合って、この人のテーマがいいよねと思ったものから決めていったのですが、自分が極めたいことについてクラスの中で気になっている人がいなかったため、私はその時の話し合いに入らなかったんです。探究は1人でできることではないので、誰かとやっていくから妥協したのかもしれません。今回の探究活動では、かなり苦戦した結果になったので、自分のやりたいテーマについてやればよかったな、と経験から学びました。

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

 

まずは、色んな世代の人と話す機会をもっと増やしていきたいです。人それぞれ、成功体験や失敗・挫折の乗り越え方は違います。だから、まずはいっぱい経験を聞くところから始めていきたいです。あと、大人の言うことは素直に聞いた方がいいんだなっと気がつきました(笑)親や先生にアドバイスをもらったのに、自分でやってみて、結果的に大人たちが言っていたことが合っていることがあったので教訓になっています。

 

これまで自分のできる範囲で行動することが多かったので、大胆に行動する選択を取ってみる経験をやってみたいです。自分の頑張りたいことに対して、ちゃんと意見を持ってる人って、すごく信頼できるし、この人と話をしてみたいと思えるからです。そのため、これからもっと「頑張った!」「やりきった!」と心から思える経験を積んでおきたいです。

 

話してみて確信した「話しやすさ」の裏側

 

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

最初は、担任の先生からジェンダーに関する企画を紹介してもらいました。率直に「聞きたい!」と思いました。このテーマでどんなことを考えている高校生がいるんだろう?と、気になって参加をしました。冒頭で話したように、クラスで自分と同じテーマに興味をもっている人がいなくて、自分の考えや思いを共有する貴重な機会でした。

 

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

 

初めて参加した時は、すごく緊張していました。それと同時に同じテーマに興味がある高校生たちは、具体的にどんなことに興味があるんだろう?とワクワクしていました。

放課後の時間帯に開催された「放課後テーマトーク」では、普段自分が気になっているテーマについて、深掘りする機会がないので、ここまで深く考えるんだ!と思いました。

また、身近な友達に話そうとしても、真面目に話せないこともあり、そのテーマに沿って、真剣に同世代と話せました。

ここだけの話、学校では全然喋らない、愛想がないタイプでして。(笑)

参加をした同世代の高校生たちが優しく話しやすい雰囲気を作ってくれたので、「この子には話せるかも」と感じ、安心して話せました。

 

自分が思っていることを、どうやったら伝えれるんだろうと考えるのが難しかったのですが、「こういうことやりたいんです!」と、思ったことを発散することが多かったけど、それを整理して伝えることが大事なんだなと気がつきました。また話しやすい雰囲気を作ることの大切さも知ることができてよかったです。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

私自身もいっぱい挑戦しているわけではないのですが、「自分何もしてないな」「何かしなきゃな」と思っている人がいたら、(私もそうなんですが)何かしなきゃと気負いすぎずに、フラッと何かやってみたら、思いの外、収穫があるかも!

例えば、カタリバやその他のイベントを勧められた時に、まだ経験していない不安を大きく考えないで、フラッと参加すると、想像以上に貴重な経験が得られるものだと感じています。

 

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