山口真一

2023.09.25 UP

みう

2023.09.23 UP

たかや

2023.09.23 UP

脱ファストファッションでゴミ問題を解決するには?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #55

2023.09.22 UP

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

 

ふじさんプロフィール

高校2年生、宮城県出身。アニメ「ツルネ」がきっかけで中学から弓道を始める。趣味はマンガを読むこと、YouTubeを見ること。

 

ゴミの山を見て、環境問題やリサイクル服に関心を持った。

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

 

服のゴミ問題やファストファッションをテーマに、学校の友達と二人で探究活動をしています。地理の教科書で服のゴミの山の写真を見て、服を安く買っては捨てるというサイクルに衝撃を受け探究し始めました。具体的には、服の回収、リサイクル服の製造・販売を行っている企業に、人気のある服について需要調査をしています。また、カタリバのワークショップデザインを実践し、ファストファッションについて全国の高校生たちと意見交換をしました。これから、探究の方向性をさらに絞り込んでいきたいと思っています。

リサイクル服は環境に優しい一方で、コストが高く販売価格も高いため、とくに高校生は手に取りづらいのが現状です。しかし、価格は安くできなかったとしても、デザインや機能性を工夫することで買ってもらえないかと考えています。いつか企業に事業プランを提案し、高校生をはじめ多くの人にファストファッション以外の服も届くようにしていきたいです。

 

▲買いたくなるリサイクル服について考えるワークショップ。

 

さまざまな意見をヒントに、リサイクル服のビジネスプランを考える。

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

 

企業の方をはじめ、今まで話したことのない方と意見交換ができて、活動の幅が広がりました。高校生でもこうした幅広い活動ができることはおもしろいと感じています。

一方で、疑問に思ったことを調べることはできても、具体的に行動を起こすことは難しいと感じています。ビジネスプランの構想は、生徒だけで考えられるアイデアに限界があったり、すでに企業やNPOで実践されていたりするので、具体的なアクションが見つからず苦労しました。また、行動することが見つかっても現実味がなかったり、実践が難しかったりすることもあり、思い描いている理想像を現実にしていく難しさを感じています。

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

 

高校生企画を通して、想定とは異なるものも含めてさまざまな意見を聞くことができたので、調査結果なども参考にしながら、高校生でも買いたいと思える価値のあるリサイクル服について考えていきたいと思います。また、すぐにサイズの変わってしまう子供服についても、再生したり循環させるようなシステムを考えてみたいです。

また、これらの経験を踏まえて、環境問題は経済と結びつきが強いと感じたので、環境経済学のゼミのある大学に行きたいと思っています。環境問題を解決するためにはコストがかかるため、理想と現実のギャップを埋める必要があります。こうしたことについて、大学のゼミで幅広く探究していきたいと思っています。また、大学などで学んだ知識だけでなく、企業との関わりも持ちながら、リサイクル服などのビジネスプランについて考えていきたいです。

 

怖がらずに活動に挑戦してみて、探究に対するイメージや考えが変わった。

 

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

 

1年生の時に学校で探究活動をしたのですが、課外活動に取り組んでいる生徒も多い学校なので、もう少しできたのではないか…と思っていました。

最初にカタリバオンライン for Teensを知った時は、エネルギーの高い人たちが参加する印象があり敷居が高いと感じていました。けれど、高校生企画ではいろいろなテーマがあったので、難しい内容でなくても大丈夫なのかなと思ったし、実際に参加してみたら、すごくエネルギーがあるわけでなくても、部活や勉強があっても活動できるのだと気づきました。大学生のキャストの方も活動をサポートしてくれたので、安心感がありました。

 

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

 

いくつかのプログラムに参加したのですが、ファシリテーションスキルが一番印象的でした。それまで、ファシリテーションはやったことはあったのですが、自信がなかったし、楽しく活発な話し合いの場を作ることに苦手意識がありました。プログラムに参加して、自分が思っていたより固く考えなくても良いことがわかり、楽しんでやってみようと思えるようになりました。一緒に活動している学校の友達ともたくさん意見を出し合いたいと思っているので、ファシリテーションで学んだことを活かしていきたいです。

また、リサイクル服をテーマにした高校生企画を実践した時には、思っていたより多くの人が参加してくれて、活発な話し合いの場をファシリテーションするヒントを掴めたと感じました。リサイクルや環境問題に関心を持っている人はたくさんいますが、実際に話し合う機会は少ないため、高校生企画を通してお互いの考えを共有し合い、さまざまな意見に触れることができました。私は人とあまりたくさん話すタイプではないのですが、自分の意見を持っている人たちと意見交換をしたり、初めて自分が中心になって企画を作りあげて、「私でもできる」という自信に繋がりました。また、プログラムに参加していた他の高校生も、みんなの前で自分の意見をはっきり言える人や、面白いノリの人がいたりして刺激になりました。

 

▲高校生企画「買いたくなっちゃう『リサイクル服』を考えよう!~楽しく『環境問題』にアクション!~」の時の様子。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

 

探究活動は難しいイメージがありましたが、自分の考えを持っている人と話すことでさまざまな考えに触れられるので、探究に対するイメージや考え方が変わりました。周りの大人も活動をサポートしてくれるので、敷居が高いと思わないで、少しでも気になることがあったら「ちょっと他の人と楽しく話してみるくらい」の気持ちで始めてみてほしいです。怖がらずにチャレンジしてみたら、新しい自分が見つかるかもしれません!

 

▼ふじさんが実施した高校生企画はこちら!▼

Teens会員の高校生持ち込み企画「買いたくなっちゃう『リサイクル服』を考えよう!~楽しく『環境問題』にアクション!~」(23年8月16日実施)

実践コース「ワークショップデザイン~とことん『実践』!自分の想いをカタチにしよう~」(23年10月クラス)

2023.09.22 UP

実践コース「ワークショップデザイン~とことん『実践』!自分の想いをカタチにしよう~」(23年10月クラス)

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「ライティングスキル」(23年10月クラス)

2023.09.21 UP

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「メイク」で男女問わず誰もが自信を持てる?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #54

2023.09.21 UP

 

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

 

ちゃみさんプロフィール

高校3年生、神奈川県出身。アーティスティックスイミング(シンクロ)やテコンドーなど、比較的マイナーなスポーツに魅力を感じて取り組んできた。

 

化粧品会社を立ち上げ、誰もが自信を持って生活できる社会を実現したい。

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

 

学校の探究活動の中で、女性の権利について研究しています。市議会議員の方にインタビューをしたり、ラジオ番組にゲスト出演させてもらったりして、女性の権利に関心を持ついろいろな人と関わるようになりました。また、一泊二日のUNESCOユースセミナーに参加して、さまざまな国の方たちとジェンダーやセクシュアリティについて話し合い、視野を広げることができました。

また、「化粧」にも関心を持っています。小学生の時にアーティスティックスイミング(シンクロ)をやっていたのですが、シンクロでは遠くからでも表情を強く見せるために化粧をします。私も実際に化粧をすると、やる気が出て気合いが入り、自信が持てました。その時の経験から、自分だけでなく男女問わず誰でも、化粧によって自信を持てるのではないかと考えています。

7月には友達と二人で「vivivea」という化粧品団体を立ち上げました。立ち上げまでには、化粧品の成分などたくさんの知識について勉強し、成分表示を理解するのにも時間がかかりました。化粧品は水や石油などを混合して作られていますが、これは人の身体にも環境にもよくありません。この団体の活動を通して、性別を問わずあらゆる人にも環境にも優しい化粧品を作りたいと考えています。

▲UNESCOユースセミナーのワークショップ。

 

周囲から支えられてきたからこそ、今度は自信を与えられる存在に。

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

 

出演したラジオをたまたま友達が聞いていて、「よかった」とか「気持ちが変わったよ」などと言ってくれました。それを聞いて「自分が話したことで誰かを変えることができた」と感じ、やる気が出ました。

社会問題に興味があっても、探究活動が学校の中だけで終わってしまうことが多いと思うのですが、最近は、私の活動が刺激となって何かに取り組み始める子が周りに増えてきたように感じます。同世代の中でいろいろな社会問題に取り組む人が増えていくのは、とても良いことですし素直に嬉しいです。

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

 

将来は化粧品の会社を立ち上げたいと考えています。そのためにまずは、事業プランを練り上げてビジネスコンテストに出場しようとしています。コンテストをきっかけに、多くの人に興味を持ってもらえるように発信していきたいです。

高校生のうちは化粧品団体で活動し、大学生になったら起業したいと考えています。大学では、企業を経営する上での基礎知識や、経営者としてのリーダーシップ、消費者保護などを学びたいです。

こうした活動を通じて、誰もが自信を持って生活できる社会を実現したいです。私も過去には努力が評価されず自信がない時がありました。けれど、物事をプラスに考えて前向きな気持ちを持ったことで自信を取り戻すことができました。今度は私が誰かに自信を与えられるようになりたいと思っています。

 

実現したい未来に向かって、失敗を恐れず突っ走る。

 

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

 

探究活動の場を探していた時に、塾の先生に教えてもらったりInstagramで見かけたりして、Teensのプログラムについて知るようになりました。

「私たちとジェンダー」という探究ゼミに参加して、当事者の話を聞いたり他の高校生と意見交換することができました。また「イベント企画力」で企画の型を学び、自分のやりたい企画を実践する力がついたと思います。

大学生のキャストもスムーズに話し合いが行われるようファシリテートしてくれて、参加者一人ひとりへのフィードバックも的確でした。自分だけでは気づかないことも指摘してくれたので、なくてはならない存在でした。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

 

私はやりたいことはすぐに行動に移すタイプなのですが、それで悪かったことはないし、むしろプラスなことばかりでした。たしかに失敗したこともありますが、失敗してもそこから自分がどういう風に活動していくのかを考え、道を切り拓くことはできると思います。失敗しても考え方一つで変わる、失敗は悪いことではない、と思うようになりました。

また、活動をはじめた時は周りに誰もいなかったけれど、活動をする中で自分と同じような問題意識を持っている人をはじめ、いろいろな人に出会えました。「こうしたい」と思う未来があるのなら自分から積極的に動いて、いろいろな人と関わりを持った方が自分自身にもプラスになるし、社会的にも早く目的を達成できると思います。やりたいことを我慢したり進むのを止めないで、そのまま突っ走っていったほうがいいと思います!