人の「心」を動かす「近道」ってあるの?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #65
「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。
日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。
ゆうかさんプロフィール
岡山県出身の高校3年生。高校3年間は演劇部での活動に没頭していた。現在は、脚本を書くことにも挑戦中。演劇を通じて「人の心を動かす」魅力に惹かれている。好きなことは、お笑いと読書。 |
できない悔しさも成長のタネだった
Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください
私の探究テーマは、『演劇の魅力を多くの人に伝えること』です。私の住む地域は演劇とあまり縁がなく、演劇を見たことがない人が多いと感じます。そんな中、演劇部の活動を通じて演劇の面白さに気づき、この魅力をもっと広げたいと思うようになりました。
特に目指しているのは、初心者でも楽しめるような演劇ワークショップを開くことです。中学生の頃、平田オリザさんのワークショップに参加して、台本を作ったり演技をしたりする楽しさを知りました。一方で、自分が思うようにできなかった悔しい経験もあり、それがきっかけで『誰でも楽しく成功体験が得られるワークショップを作りたい』という思いが芽生えました。
現在は、台本の書き方を学びながら、どのような内容のワークショップが初心者にとって分かりやすく、魅力的かを考えています。演技の基礎を教える内容にするか、簡単な台本作りを体験してもらうかを迷っていますが、どちらも演劇の楽しさを伝える素晴らしい方法だと思っています。
▲演技の様子
演劇を通じて学んだのは、他者の視点に立って人の心に寄りそうこと
Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか
探究活動を通じて、演劇が単なる表現手段ではなく、仲間との協力や人の心を動かす力を持つものだと気づきました。特に印象に残っているのは、中学時代のワークショップで、他のグループが私たちよりも楽しそうに、かつ効率よく進めていたことです。当時の自分のチームは、真剣に取り組みすぎるあまり、悩んでワークをうまく進められませんでした。当時はとても悔しかったのですが、後になって『どうすれば楽しく取り組めたのか』を考えるようになりました。
演劇部に入ってからは、チームで取り組む演劇の面白さをより深く理解しました。特に、初舞台となった「7人の部長」という作品では、感情をコントロールする技量が足りず苦戦しながら取り組み、本番はなんとか感動できる空気感を演出できました。仲間と意見を交わし、アイデアを出し合う中で、他者の視点を取り入れることの重要性を学びました。
また、演劇を通じて『想像力』や『発言力』が身についたと感じます。台本を読むとき、キャラクターの心情を想像しながらセリフを読む力や、仲間の演技に対してアドバイスをする勇気が自分の成長に繋がりました。この経験を通して、人の心に寄り添ったり、自分の意見を伝える力が、演劇を超えて日常生活にも役立つと実感しています。
Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか
これからは、演劇の楽しさをもっと多くの人に伝えたいです。まずは、初心者向けのワークショップを開くことを目標にしています。演劇を通じて、人と人が繋がり、心を動かし合う経験を共有したいと思っています。特に、演劇に触れたことがない人にその魅力を伝えることに挑戦したいです。
また、大学進学後は、演劇の知識や技術をさらに深めたいと思っています。プロの舞台を見たり、専門的な講義を受けたりしながら、自分がまだ知らない演劇の世界を広げていきたいです。そして、自分が体験した『心を揺さぶる演技』を、今度は自分が他の人に提供できるような演者、または台本作家になりたいと思っています。
さらに、演劇だけに留まらず、自分が好きだと思ったことにはどんどん挑戦していきたいです。演劇を通じて身につけた想像力や発言力を活かして、新しいプロジェクトを企画したり、人との繋がりを広げたりしながら、視野をどんどん広げていきたいです。
同世代に共感してもらえ、自分のアイディアが形になる喜びを経験した
Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください
演劇の魅力や自分の探究テーマを発信できる場所になると思い、参加を決めました。また、普段は関われない全国の高校生たちと意見を交換できることに惹かれました。演劇の話題だけでなく、さまざまなテーマについて話す中で新しい視点を得られると感じたからです。
実際に参加してみて、自分の考えを伝える大切さや、他の参加者から学べることの多さに気づきました。最初は緊張していましたが、参加者みんなが優しく接してくれたので、次第に安心して意見を言えるようになりました。
Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか
参加してよかったと心から思います。全国の高校生たちと繋がることで、自分の視野が広がりました。特に印象に残っているのは、他の参加者が自分のアイデアに興味を持ってくれた瞬間です。自分の考えが誰かの共感を得たり、新しいアイデアを生むきっかけになったりするのは、とても嬉しい経験でした。
また、普段の学校生活では出しづらい自分の想いを素直に表現できたのも大きな変化です。この経験を通じて、自分が考えていることをもっと発信していこうという自信がつきました。現在は、高校時代の集大成の1つとして、「実践コース:ワークショップデザイン」で自分の企画にチャレンジしています。これからの自分の活動に繋げていきたいです。
Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!
自分がやりたいことがあるなら、まずは挑戦してみてください。失敗しても、その過程には必ず学びがあると思います。探究活動や日常の中で、自分の好きなことを追い続けることで、きっと新しい扉が開くはずです。
私自身、演劇を通じて多くのことを学びました。仲間と協力することで新しい発見が生まれ、自分一人では気づけなかった可能性が広がります。皆さんも、自分の好奇心を大切にして、いろんなことにチャレンジしてみてください!