「内向的な自分」でも居やすい場所は、どう作る?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #73

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。
日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。
| Yuiさんプロフィール
アメリカの公立高校に通う高校3年生。アメリカ生活は5年目。カラーガードやラクロスなどの部活動に取り組む一方、編み物とネイルが趣味。現在はチューターとして勉強を教えるボランティアも行っている。 |
かつての自分が必要だったサポートを、今度は自分が届けたい
Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください
私の探究テーマは「内向的な人をサポートすること」です。現在は、学校の編み物クラブで、ひとりでも安心して参加できる雰囲気づくりに取り組んでいます。
きっかけは、アメリカに引っ越してきたばかりの頃の経験です。勇気を出してクラブに参加したものの、うまく輪に入りきれず、友達をつくる機会が限られていると感じた時期がありました。その時にサポートしてもらった経験があったからこそ、今は自分も支える側になりたいと思っています。
今年、クラブリーダーになり、環境をつくる立場になりました。まだひとりで来る生徒は多くありませんが、どんな人でも安心して参加できる場所にしていきたいと考えています。

▶︎編み物クラブの様子
一人では難しかったことも、仲間となら前に進めた
Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか
探究活動を通じて感じた一番大きな学びは、「誰かに話してみること」の大切さです。
夏に日本へ帰国した際、同じように探究テーマに悩んでいた友人と話す中で「一緒にやってみよう」と声をかけてもらい、カタリバオンライン for Teensに参加しました。もし一人だったら、続けることが難しかった場面もあったと思います。仲間の存在が、私の背中を押してくれました。
テーマ設定でも迷う時期があり、当初は「環境問題」に関心がありましたが、自分の中でしっくりくる掘り下げ方を見つけられず悩んでいました。そんな中、プログラムに参加したことをきっかけに、「内向的な自分も多様性の一つである」と気づき、そこから多様性に対する関心が深まりました。
その後、探究テーマを「内向的な人をサポートすること」に変えてからは、自然とアイデアが生まれるようになり、活動にも前向きに取り組めるようになりました。心から興味を持てるテーマに向き合うことが、探究を続ける力につながると実感しています。
Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか
大学進学後は、日本で暮らす外国人の居場所づくりに取り組みたいと考えています。
また、将来は教職免許を取得し、生徒に寄り添える先生になりたいです。新しい環境で一人になる不安や孤独を経験したからこそ、同じ気持ちを抱える人にそっと力になれる存在でありたいと思っています。
大学入試がきっかけ、でも今は「本当の興味」へ
Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください
高校1年生の夏にプログラムへ参加したことをきっかけに、探究に関心を持ちました。AO入試で探究活動が必要だと知り、「行動を始めるなら今かもしれない」と思って参加しました。最初は入試のためという気持ちが大きかったです。
ですが、参加を重ねるうちに視野が広がり、興味の対象も変化していきました。今では、“自分の興味”に向き合う場として参加しています。
Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか
参加して本当に良かったと感じています。特に印象的だったのは、2週間のアクションプログラム「チャレンジラボ」です。小さな行動でも、積み重ねることで変化につながると実感しました。
高校生が企画をプロデュースする「学びプロデュース」では、積極的に意見を交わす高校生や大学生の姿に刺激を受けました。普段の学校では出会えない視点に触れ、自分の考えを深めることができました。
Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!
テーマが決まっていなくても大丈夫。気になることがたくさんあっても、それは探究の入り口です。
探究を始めるきっかけが受験のためでも、行動を続ける中で“本当に興味があること”に出会えることがあります。
また、悩んだ時はひとりで抱え込まず、人に話してみてください。誰かと一緒に動き出すことで、最後までやり切れる力が生まれると思います。
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