無意識の思い込みに気づく工夫ってどんなもの?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #40
「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。
日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。
ここさんプロフィール
高校2年、東京都在住。中学時代からテニス部に所属。 日本に住む外国人が生き生きと暮らせる社会を目指して日々探究を進めている。 趣味は漫画や読書をすること。特に好きなものは韓国漫画とK-POP。 |
これまで感じてきた違和感が活動の原点
Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください
社会課題の中でも、女性の権利、子供の貧困や在日外国人問題に関心があります。
今は、労働問題を含めた洋服に関するテーマで探究活動を行っています。
SDGs提案コンテストでは、高校生が回収した服を販売し、その収益を寄付する仕組みを実現するために大手フリマアプリへ提案したところです。社会課題を解決したいと思っている人の集まりに参加して、探究仲間を見つけたのですが、プロジェクトについて建設的に議論しながら一緒にお互いを高め合っていく時間が好きでした。仲間とフィールドワークをしながら、問題の根源を探すのも楽しかったです。
小学生の頃から興味があるテーマは、特に外国人の権利、外国人労働者についてです。祖父が韓国人ということもあり、エピソードを聞いてみると壮絶な過去があるようで、外国人労働者を取り巻く問題や解決策を模索しています。外国人というだけで、「犯罪をしそう」だとか、「言語の壁を感じる人」がいます。「在日外国人が住みやすい環境を整えるためにどうしたらいいのか」を考えた際に、日本の政府の在り方に疑問を持ちました。でも私たちが直接干渉するのは難しいから、まず始めに何をしたら良いかを考えるようになりました。
活動については家族も、応援してくれています。時間を設けているわけではないのですが、私が中学生になった頃から、ご飯の時間などに「〇〇党について〇〇だと思うな〜」といった感じで話が始まり、各々意見を言ってくれるので、私一人だと気づかなかったところから鋭い意見を言ってくれるので助かっています。
また、カタリバオンラインを通してワークショップを作り、実際に講師として全国の高校生へ向けて高校生企画を実施しました。一番の目的は、参加してくれる高校生に政治への関心を高めていくことでした。冒頭の話と繋がるのですが、具体的には社会課題の1つである在日外国人問題を提示してみんなで解決策を考えてみるワークをみんなで行ってみました。
「Why」を繰り返し、多角面から物事を捉えられるようになった。
Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか
探究活動前は、自分が気づかないうちに偏見を持っていたことに気がつきました。
例えば、国内で外国人の差別が起こる原因は、「外国人が日本語を使用できていないからでは?」と、間違えた問いを立てたことがありました。そのまま違った行動を起こしていたら、有効な解決策に辿り着けなかったと思いますし、これは危ないなと感じました。それからは行動を起こす前に、本当にその行動が自分の実現したい未来に有効な解決策なのかを考え、偏見を持たないように、テーマに関わる全ての立場の人の考えを、俯瞰することを意識するようになりました。まず、原因を勝手に予想したとして、それって結構外れることも多いので、それがなぜ起きているのか、そしてそれはどのように起きているのか、というように「なんで」を繰り返すようにしています。
Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか
次にアクションを起こしたいと思っているのは、日本人と外国人が繋がれるプラットフォームを作ることです。プラットフォームを作ることはできると思いますが、身近な場所から範囲をどんどん広げないと課題解決にはならないので、地域社会を巻き込んでいきたいです。周りの人達をどう巻き込めば良いか、どうすれば活動を知ってもらえるかをクリアにしたいです。理想は子供の貧困もなく、外国人が生き生きと暮らせる社会を確立していくことです。
将来的にはソーシャルビジネスをキーワードに起業をしたいと思っています。これから、ソーシャルビジネスが有効であることを証明したいです。起業家はリスクを取らないというイメージがあると思いますが、リスクを最小限にして実行できる方法にチャレンジしたいです。例えばアンケート調査。実際、質問の内容によりますが、正直に答えられない場合も想定できるので、実際にインタビューをし、細かいニュアンスも捉えて、有効かどうかを考えていきたいです。
多種多様な課題を解決したいと思っている高校生達が集う場所。
Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください
ネットで調べて見つけました。登録した当時は、社会課題を考えるだけではなく、アクションを起こしたいと思っていた時期でした。今まで調べたり考えたりしていましたが、解決しないと意味がありません。どの場を使えば良いかが分からない私のような人が使える良いツールだなっと感じました。初めての時はワクワクしたし緊張しましたが、毎回新しい友達もできますし、志高い自分を出せる場所であり、志高い人たちに会えるのが楽しみになっています。
Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか
私が参加したプレゼンテーションのプログラムでは、最初は「伝える」しかできていませんでしたが、聞いてくれる相手へ「伝わる」大切さを学びました。この経験は「発表する」という場面において役立っています。
プログラムの内容については大満足です。スキルアップの講座だと何回分も用意されているし、教えてくれて実践をする場がもらえるのは、良いところだと思います。
全国から集まった参加者は、社会問題に対して意識が高く、それぞれ違った問題を解決したいんだなと感じました。みんなが多種多様なテーマを持っているから、自分の知らない問題について学べました。こういう人がたくさんいれば、私たちで日本をより良くできると主体的に行動することへ繋がると考えています。Teensに集まっている人たちで日本が構成されていれば未来は明るいかなっと思っています。
Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!
私たちが生きていく時代は、私たちで作っていかなければいけないものだから、今ある問題を自分に関係無いと思わないでほしいです。疑問に思ったテーマについて自ら情報を集めて、できることから行動し、「私がその問題を解決するんだ」という意思を全国の高校生みんなに持って欲しいと思います!