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“後悔した経験”を新たなチャレンジへ繋げる方法って?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #49

 

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

 

ぱんだまるさんプロフィール

高校3年生、兵庫県在住。

カナダ留学で出会ったホームレスとの交流を経て、探究活動に熱中する日々を送っている。

食べること、ハリーポッター、海外旅行、フルート、テニスが好き。

 

留学後、日本でアクションできず「後悔の気持ち」が湧いてきた。

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

 

授業の一貫で「食品ロス」について学び、「なんで食品が廃棄されているのに困っている人がいるんだろう?」と考え始めました。探究学習のアクションが進むにつれ、現在は、「生活困窮者に寄り添った食品ロス対策は持続可能か?」というテーマで活動を進めています。

食品ロスに対して、国内でも法整備が必要だと感じていました。とある宿泊型プログラムで偶然出会った弁護士の方への相談をキッカケに「ルールメーカーズDAO」というコミュニティで、食品ロスに対するプロジェクトを立ち上げました。

 

Q:上記の取り組みを始めたきっかけは何ですか

 

留学後、心の底から後悔し、自分の行動力が変化したエピソードがあります。大阪駅で友達と待ち合わせた時に、移民のおじさんから「コンビニでお菓子を買ってください。」と、日本語で書かれた紙を手渡されました。しかし、友達を待たせており、急いでいたため、その場でアクションを起こせませんでした。

留学先のカナダでは、目の前にいたホームレスの方へ食事を提供したり、自分から話しかけたりと、自分の心から湧き上がる思いを素直にアクションできた経験があったので、「なんてことしたんや」と後悔しました。その後、食品の寄付や探究テーマに情熱を持って取り組むようになり、この経験は私にとって大きな意味があったと思っています。

 

Q:取り組む中で嬉しかったこと、大変だったこと、工夫したことはありますか

 

大変だったことは、アクションを起こさずに情報収集ばかりで、アイディアを発信する勇気がなかったことです。しかし、プログラムを通じて多くの人にアイディアを伝える機会ができ、認められることもあり、自信をつけることができました。

工夫したことは、プロジェクトを進めるために議員へアポを取り、アドバイスをもらったことです。「こうやって普通に社会のことを考えてる高校生がいることに感動した」と、褒めていただき、「社会のことを考えている高校生」として認められたことが嬉しかったです。発信することの大切さを学びました。

 

▲U18summitで登壇した様子

 

仲間との関係性がプロジェクトを加速させる重要な鍵だと気づく。

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

 

実は、探究活動へ本腰を入れる前に心の中で1番葛藤したのが「部活を辞める決断」でした。部活に入る意義や自分に求められるものを考える中で、自分の成長について真剣に向き合う時期となり、本当に自分がやりたいことを探していたんだと思います。当時は、部活の仲間とコミュニケーションをとる本当の意味を理解できていませんでした。

 

しかし、探究活動を始めたことで、仲間との協力やコミュニケーションがプロジェクトの成功には欠かせないと実感しました。プロジェクトを通じて、仲間と一緒に何かを達成する喜びや感動を味わい、自分が成長していく過程を感じることができました。
特に、仲間とのコミュニケーションを大切にすることを心掛けた結果、仲間との結束がより強くなり、プロジェクトの進行がスムーズになりました。

部活を辞める決断は大きな一歩でしたが、その結果、自分の成長へ繋がりました。高校生でもアクションが起こせることを知り、自信と行動力が育ったと感じています。

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

 

これからは、法律だけで終わらせずに、法律の導入をベースにして、企業や消費者、そして日本に住む全ての人々の意識を変えることです。

これは短期的なプロジェクトではなく、長期的な取り組みが必要ですが、カナダでできたことを日本でも実現したいというパッションが、心のエンジンとなり、動いています。移民のおじさんに対してアクションしなかった後悔を胸に、全力で取り組みたいと思っています。

 

自分の考えをアウトプットする環境を探していた。

 

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

 

留学先で、初めて自分の無知さを知ったことがスタートでした。
現地では、友達や家族でも歴史や社会についてバリバリ話す感じがあり、その場にいることがきつかったです。外国人がしっかりしてると言われる理由の1つとして、普段からそういう話をしていることに関係があると感じました。
そんな苦い経験から、人に自分の考えを伝える練習ができる場所を探していて、先輩がカタリバオンラインを教えてくれました。

 

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

 

頭の整理が難しい時でも、運営の方々から適切なサポートを受けられました。カタリバのスタッフさんたちの協力と支援には本当に感謝しています。

プログラムの中で人に伝えることが苦手だった私ですが、自信を持って自分の考えを表現することができるようになりました。

プログラムの内容には本当に満足しています。自分自身だけでなく、参加してくれた人たちからのフィードバックも、とても嬉しかったです。お互いに満足できたことが何よりも嬉しかったですね。また、このプログラムを通じて、自己肯定感が低かった私が尊敬されたり、他の人に影響を与える力を持っていることに気づくことができました。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

 

「思い立ったら、その時にやってみよう。」
私の場合、部活について悩んだことがキッカケでした。「生意気と言われてもいい!」という覚悟で、思い切って部活を辞めてもいいと思います。「自分が”本当にやりたいこと”ってなんだろう。」1度、自分の心に問いかけてみてください。

自分の想いに正直になって、一直線に突き進むこと。それを伝えたいです。

 

これまで、何かアクションする時には、誰かに許可を取らないといけないと思っていましたが、「やりたい!」と思ったら勝手にやっていいし、どうすればいいか分からなくても、とりあえず課外活動のプログラムに参加し、同世代と交流することをオススメします。

「経験者は語る」ではないですが、カナダでの留学経験や課外活動への参加は、私の大きな転機でした。自分と同じ価値観だけど、違う夢を持っている人や全力で頑張っている人と出会うことで人生は変わると信じています。