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あなたにとっての「あたりまえ」は何だろう?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #03

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

 

ふうかさんプロフィール

高校3年、神奈川県在住。室内楽部・軽音楽部に所属
趣味は映画・ミュージカル。映画で世界旅行をテーマに年100本ほど映画鑑賞
環境問題や女性の社会進出など社会課題に関心を持ち、日々小さな一歩にチャレンジ。夏からトビタテ7期生としてニュージーランド留学予定

 

自分の「あたりまえ」って、みんなの「あたりまえ」じゃない

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください。

今は、とにかく自分の身近にある「あたりまえ」を起点に疑問や興味を持ち、色々なものに取り組んでいます。
環境問題、政治・教育の問題など、小さなことからでも気づきを得て行動できるよう意識してます。

例えば、「ジェンダーギャップに対するニュージーランド(NZ)と日本の違い」を一つの探究テーマにしています。夏からNZに留学し、ジェンダー平等が進んでいるNZと、遅れている(と言われている)日本では、何がその差を生み出しているのかを自分の目で見ていきたいと思ってます。

また、環境問題を身近に感じてもらうため、関連する映画のランキングをつくり、SNSを活用して啓蒙コンテンツを発信をしてます。
上手くいかなかったですが、同級生の仲間6人と共にペットボトルを削減するため学校にウォーターサーバーを設置するプロジェクトにも取り組みました。

他にも知り合いのsnsで選挙に行こうという投稿を見て、自分も選挙権を得る年に近づいていた時だったので、昨年の探究発表では「若者の投票率が低い」という問題に着目し、投票率を上げるための調査や発表をしました。

 

Q:環境問題に取り組み始めたきっかけは何ですか?

子どもの頃から肌が弱く、母が食事や洗剤に気を遣ってくれ、家の中でも環境への配慮が当たり前の中で育ちましたが、高校に入って、それが当たり前ではないと気づいたことがきっかけです。

例えば、友だちがお昼ごはんを残すこと、すぐにエアコンを下げること。残すのは良くない!まだそんなに暑くないのに!と思いながら強く言えず、自分の中で「変えていきたい」という想いが強くなりました。

私自身、水筒・エコバックを持ち歩き、ペットボトル・ビニール袋は買わない、コンポストを利用し生ごみを出さない、お風呂の水で洗濯、外で見つけたゴミは拾うなど意識してますが、地球にとって悪いことだと知っていても行動に移せる人はあまりいないので、少しでも増えて欲しいと思います。

 

▲海岸でのゴミ拾いの様子

 

「意識高い」で終わらせない。でも人を巻き込むのって難しい。

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか?

ウォーターサーバーを設置するための取り組みは大きな経験になりました。校長先生や生徒会と何度も話をしたのですが、なかなか上手くいかず。大人数を巻き込んで組織を変える、制度を変えることの難しさに直面しました。分かってもらえる人が少ない中で、たくさん壁にぶち当たり、「自分は何のためにやってるんだろう?」と悩みました。

設置自体は叶いませんでしたが、組織を動かす大変さを経験出来ただけでも、アクションを起こして良かったと感じます。どんな経験も自分の良い経験として吸収したいし、しんどい・辛いではなく、次に繋げていく姿勢で取り組んでます。

行動すると、その先に解決したいことが明確になるし、結果的に行動力がついたと思います。全て自分の大事な経験になり、ちょっとした日々の疑問や違和感、意見を持つことを意識するようになりました。

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

今すぐ何かを解決できるとは思っていないですが、大学では教育や政治について学びを深めたいです。性別に関係なく、家事育児、キャリア形成できる未来にしたい、社会全体を変えていける人になりたいです。先ほどのウォーターサーバーの取り組みで、制度や仕組みづくりの重要性を感じたのも大きいです。

今まで政治はおじさん達がやってるほど遠いイメージだったけど、政治に関心を持ち始めて北欧の政治教育を学び、若者が楽しそうにフェスティバル的に参加してるのを見て、それを日本でも広めたいと思ってます。

「ジェンダーギャップ」をテーマに、ニュージーランド(NZ)に留学します。まずは日本とNZで女性の社会進出に差があることを知り、何が違うのか、どうしたら行動を起こせるのか気づきを得たいです。

とにかく、「意識高い」と思われていることが、もっと身近に感じてもらえるよう具体的に考えていきたいです。まだ計画中ですが、社会問題を自分ごととして捉えてくれる人を増やすための、ワークショップをしたいと思っています。
女性の社会進出や政治への関心を持ってもらう模擬選挙など、社会課題解決に向けた意識を醸成するきっかけをつくるイベントにもチャレンジしたいです。

 

学校の授業と違う。高校生同士で盛り上がれる場所。

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか?

社会問題解決に興味があって、いつかワークショップをやってみたいと思っていたので、「イベント」という言葉に興味をもちイベントプロデュースコースに参加しました。
去年、学校で政治について発表して、「いろんな人に広めたい!」と思いワークショップをやりたいと漠然と思っていたのですが、初めてなのでやり方がわからなくて。

実際コースに参加すると、学校の授業とは全然違い、実践型で驚きました。実際にやってみると興味を持ってもらえるか参加者の反応でわかり、直接声がもらえて嬉しかったです。何より、これからやりたいことに対して自信をもてたことが大きいです。

学校ではイベントやディスカッションの機会がなく、発表も一方通行で終わり、実際興味を持ってもらったかわからないですし、具体的なアドバイスやフィードバック、感想が聞けません。カタリバオンラインではみんなの意見も聞けるし、大学生のキャストの皆さんから+αのコメントをもらえるので「やる意味があった!」と実感でき嬉しかったです。

話の構成をどうするか、「どうしたら注目してもらえるか?」など、イベントの作り方そのものでの学びも多かったですが、コースで出会った他校の高校生から本当に多くの刺激をもらいました。

カタリバオンラインには、自分の興味関心を持ちながら、相手のことを肯定しつつ、自分の意見を伝えてくれる人が多くいるので、とても面白いです。それに、ポルトガル留学している子や学校を思い切って辞めて転向した子など、行動をたくさんしていて、まだまだ頑張らないとと感じました。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

わたしにとって、「あたりまえ」だと思っていたことが、周囲の人にとっては「あたりまえ」じゃないことって多いと思います。できることは小さな事かもしれないけど、身近なところに疑問を感じたり、「何ができるだろう?」と考えて、自分たちができる行動を起こす仲間が増えると嬉しいです。