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今の自分は本当にこの道を進んでいいのだろうか?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #05

 

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

ひろさんプロフィール

高校2年、東京都出身、地域みらい留学で島根県津和野町の高校に在学。
ポルトガルへの10か月間の留学を経験するなど、新たな場所でのヒトとの出会い、体験に挑戦し続ける。

 

「自分の知らない場所での出会いと経験」から生まれる何かを求めて

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください。

 

今は、街を歩くことで出会う「新たな発見」に興味を持っています。正直まだ一連のアクションの落としどころは全然見えていないけれど、15年東京に住み、その後島根県の山間部にある高校に地域みらい留学、ポルトガルの人口6,000人の田舎街への留学を経て、新たな環境で出会う「ヒト」や「経験」の一つひとつに刺激を感じてます。

特に、島など閉鎖的な空間にワクワクします。都会よりも地方が好きで、小さなコミュニティの中で、その土地の人と話すこと、自分の知らない考え方に出会うこと、その土地土地のヒトや世界が自分に新しい気づきを与えてくれるのが楽しいと感じます。今はそういう体験をたくさんしながら、その先に「まちづくり」というテーマがあるのかなと思い始めているところです。

 

Q:高校で「地域留学」をしようと思ったきっかけは何ですか

 

最初のきっかけは家族との伊豆大島への旅行です。現地で同年代の男の子3人くらいが走ってるのをみて「もし、自分がここで生まれたらどういう生き方をしているんだろう?」「もし自分が島に生まれていたら、島の外に対してどういったイメージを持っているんだろう?」と疑問が浮かび、自分には想像がつかない未知の世界だなと思いました。

自分と同じ境遇の人が考えていることは比較的イメージしやすいけど、自分が知らない土地での生き方やその人の目線から見る世界が想像つかず、ふと自分は自分の近くの狭く限られたことだけしか知らないんだなと感じました。

また、日頃の生活でも他者と関わる上で外見や噂話などの限られた情報から、交流を諦めることが多くあり、人は外見によらないと身をもって知った。今思うと、惜しいことをしたと感じます。

自分の知っていることだけじゃダメなんだ、自分は何も知らないんだ!という心持ちで取り組むことが大事だと感じています。

そんな中、高校進学の説明会に行った際に、高校側の説明で進学先の大学のボリューム層だったり、その先の職種を紹介されました。それらは一見自分の将来を考えた時に丁度いい指標になりそうで、当時分かったふりをして高校を決めそうになったことを今でも覚えています。しかし自分はハッキリとした将来の夢や就きたい職業が定まっておらず、その状態のまま分かったふりをしてする進学よりも、自分に嘘はつかないで進路について自分はまだ何も分かっていないんだと自覚するために未知の選択肢を探し始めました。そこで、寮付きの高校を探し、「地域みらい留学」という単語にたどり着き、僕にとっての新たな一歩が始まりまし た。

 

Q:島根での生活はどうでしたか、またどうしてポルトガル留学に行ったのですか

 

1年弱島根にいましたが、最初は大変なことが多かったです。知らない土地で生活するのは初めてだったので、気温、方言、文化はもちろん、同級生の大学進学に対する志など、たくさん違いがありました。

だからこそ、価値観の違いに気づくことができ、高校を選ぶときにそのまま大学進学を見据えて東京の高校に進学しなくて良かったと思います。
そこで、もっと多様な価値観に触れたい、東京と島根だけではなく、一度国外に出たいと思い、10か月間のポルトガル留学を決意しました。

 

▲島根県で出会った友だちと共同活動する様子

 

ポルトガルでの気づきと自分が実現したい次の選択へ

Q:島根での地域留学、ポルトガルでの地域留学では、どんな学びや変化がありましたか


「物事を多面的に見る」意識
が強くなったと思います。

例えば、留学先の高校では、家業を手伝ったり、街に繰り出したり、放課後の活動に力を入れている生徒が多い印象で、日本では、学校中心の生活でこの年齢まで上がってきているけど、そうではない世界がある。そういう風に同級生の行動を見て比べると面白く、様々な気づきがありました。

また、ポルトガルでは、一人一人の生徒にあった評価をしている印象があります。クラス全体で 違いを受け入れる空気があり、理解をしてくれる。

日本だと一つの決められた基準で比べられることが多いし、ランキング化されたりする。教育の質でいうと日本の方が高いのかなと思うし、単純なメリット・デメリットで比較することは難しいけど、それだけでも留学を通して考えたことが多いなと感じています。

 

▲ポルトガルの同世代の仲間との出会い

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか


「世界各地のいろいろな街に住む」
というのが今のスローガンです。

「街での出会い・発見、まちづくり」をテーマに取り組みたいので、世界各地に赴いてその地に住みたいと思ってます。勉強のこととか、お金や時間などの問題はありますが、まずは行動してみたい。今年の夏は九州に行こうと考えてます。そして自分の中で、さらに物の見方や考え方を広げていきたいです。

僕は、中学までは自分で選択してこなかった人間でした。学校の成績や部活のサッカーの成績もそんなに芳しい方ではなかったからこそ、既定のレールではなく島根が舞い降りてきた。それが良いとか悪いとかはないと思います。どんな境遇でも自分のやりたいことが「これ!」と決めたら、自分の選択を実現できるように行動する。中学生の時点 で「自ら自由に選択できる」ということを実現できる社会が私にとっての理想の1つです。

そして、そのためにも、まずは目先のことを頑張りたい。世界で戦う同級生は優秀な人が多い。その子たちと関わって刺激をもらいたいとなると、海外の大学も一つの選択肢だし、あと1年半の高校生活、大学進学する/しないに限らず、「自分の選択肢を広げるための努力」は優先して取り組みたい。

その中に自分のマイプロジェクトもあると思っているし、自分が「納得できる高校生生活」を送ることが大事だと思ってます。

 

「上手くいかなくても参加したい」と思える場所

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

 

僕は島根の高校へ進学してから、休日に何もせずに過ごしてしまう日がありました。「こんな時間の使い方だとまずい」という焦った気持ちがきっかけで参加しました。
イベントやデザインなど色々ありましたが、その時の自分のニーズと相性の良い講座がプレゼンテーションだったので、まずは一歩踏み出してみようと思ったんです。

カタリバオンラインでは、とにかく承認・肯定してくれる、背中を押してくれるので、上手くいかなくても、次も参加しようと思えたのが一番心に残ってます。

また、しっかり発表や意見を発する同世代が多いと感じたし、コースを受ける中で「そうだな!」「確かにな!」と他の高校生から新しい視点をもらうことも多かったです。

当たり前だけど、他者は自分のことを100%理解してはくれない。高校生同士で意見交換したり、質問したりしながら自分の意見をどれだけ分かってもらえているのか気づくことが多かったです。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

 

「何かをしたい!」。だけどなかなか行動に繋がらないことってあると思います。そんな時こそ「話す・対話する」中で言葉にすることで形になる時があると思うので、ぜひそういう場所としてカタリバを使ったり、同世代同士で 「自分の素の意見」で話ができる場を見つけて欲しいなと思っています。