夢を叶えるために何をすべきなの?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #08
「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。
日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。
エルさんプロフィール
高校3年、和歌山在住、写真部所属 |
「事業を立ち上げたい」 どんな準備が必要なのだろう?
Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください
私は将来、自分で事業を立ち上げて会社経営をしたいと思ってます。そのためにどんな事業が良いのか考えながら、現在は和歌山の起業家が集まるイベントに参加して情報収集したり、インターンシップや動画編集のアルバイトなどをして社会勉強をしています。
今、考えている事業は二つあり、一つ目は、「インナービューティーカウンセラーが常駐するカフェ事業」です。健康・美容にもいい食事を提供するだけでなく、心の健康にも配慮し、気軽にカウンセリングやセラピーが受けられるサービスも展開したいです。日本だと心の不調を感じた場合、重症になっている段階でやっと病院に行きますが、もっと前の段階で気軽に相談したり、話せる場所があればと思います。
二つ目は「若者と高齢者を繋げる事業」です。スーパーへゆっくり買い物に行けない働き盛りの若者の注文を、高齢者の方が受注して代わりに買い物に行ってくれるサービスです。「買い物」のようなちょっとしたアクティビティプログラムを経験することで、高齢者の方が「生きがい」や「役割」を感じ、認知症の改善に繋がるのではないかと考えています。
▲実際に自分で考えたカフェの設計図
Q:起業や二つの事業に興味を持ち始めたきっかけは何ですか
たまたまなのですが、私のまわりの友達は「自分で何かを創り出したい子」や「独立心旺盛な子」が多くて、私もインスピレーションを受けているのだと思います。みんな個性や自分のスタイルをどんどん発揮・発信するタイプで、お互いの個性を尊重しあい、受け入れられるカルチャーの中で学校生活を送っています。
また、「インナービューティーカウンセラーが常駐するカフェの事業」を考えた理由は、私自身がコロナ禍で鬱病になったことがきっかけです。高校1年生の時、4月から7月に全国一斉休校の要請によって通学ができなかったことや遊びにも行けなかったこともあり、そこから鬱病になりました。その時は友達にも打ち明けられず辛かったのですが、カウンセリングを受けたことで回復できました。そんな実体験から、ふらっと気軽に立ち寄れるカフェで、悩みをお互いに話せたり、専門のカウンセラーに頼ることができたらいいなと思い、この事業を考えました。
「若者と高齢者を繋げる事業」については、和歌山は過疎化していて高齢者が増加しているし、テレビなどで認知症のことを知って思いつきました。私はよく祖母と一緒にスーパーに買い物についていくのですが、若者を店内で見かけることがなく主婦の方が多いことに気づきました。働き盛りで忙しい若者と、「役割」や「生きがい」が必要な認知症の方を繋ぐことで、認知症の改善に役立つのでは?と思いこのアイデアが浮かびました。
▲放課後の様子
批判するよりも、まずは自分で変えられることを考えたい
Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか
1年生は「行政・政治」、2年生は「女性・世界の環境問題」についての探究で視野を広げ、3年生は「自分の10年後の未来」というテーマに取り組んでいます。その中で、自分自身が将来やりたいことを今まさに考えているところです。
これまでの探究活動を通して得たのは、問題を見つける能力だと思います。身近にあることや社会に対してアンテナを張り、問題を見つけて「自分だったらどうするか?」解決案を考えたりすることが身につきました。
ニュースなどをみていて、社会問題や物事に対しての悪口を目にすることがありますが、実際は批判したところで何も変わらないし、変えられるところを自分で前向きに考えてアイデアを練ることがとても楽しくなりました。
Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか
学生の間に起業にチャレンジしたいと思っています。そのために大学では経営を勉強し、カウンセリング資格も取得したいです。また、起業してやっていくとなると沢山の協力者や会社の協力も必要です。一般常識やさまざまな知識が足りていないので、社会勉強も必要だと思います。
まずは進学のための準備を頑張り、視野を広げていくために海外留学も経験したいです。
自ら率先して行動する高校生が集うコミュニティ
Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか
参加している高校生は、自主性の塊みたいな子が多くとても楽しかったですし、高校生同士で意見が言いやすいのも良かったです。学校だと誰も手を上げて意見を言わない場面があるし、発表に苦手意識を持つ子が多いので、カタリバオンラインだと全然違う空気があり驚きでした。
Q:「プレゼンテーションスキルコース」に参加してみてどんな学びがありましたか
大学受験に向けて私にはプレゼンスキルが必要だと思っていました。インターン先でプレゼンをする機会があったのですが、その時に納得のいくプレゼンができなかったのと、言語化が得意ではないので、スキルを磨く場所を探していました。
実際参加してみて正解だったと思います。まずは自分のプレゼンを客観的に講評してくれる大学生キャストの方がいて、すごく価値のあることだと思いました。自分の問題点も見つけやすく、伝える力や説得力が低いことが把握できたので、今後意識して磨いていきたいです。
Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!
私は1年生の時に鬱病になりましたが、生きていればなんとかなると思います。どんな辛い経験も学びや自分の強みになると実感しました。いつかカタリバオンラインのみんなで自分の夢を語り合ったりプレゼンし合うイベントを企画してみたいです。