夢を実現するために今できることは何だろう?/”問い”を育む 高校生たちの物語。 #20
「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。
日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。
sakuraさんプロフィール
高校2年、長野県在住、イングリッシュ・コミュニケーション・クラブ所属 |
1通のマンスリーレターからはじまった、将来の夢。
Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください
将来、開発途上国で教育事業をやりたいと思っています。その夢を実現するために、国際や教育、貧困をテーマに取り組んでいる3つの団体に所属し、活動しています。
海外の文化や感性に触れるために、日本語が話せる海外出身の方を招いた交流イベントに参加したり、教育に関心のある大人や中高生が集う団体でインターンとして活動をしています。また、今住んでいる長野県の地方活性化の一助になればという想いから、ローカルに根ざした団体での活動も行っています。
団体での活動は、学生起業家など自分よりももっとたくさん考えている方と出会うことができ、刺激を受けたり、新たな視点を発見したり、向上心が芽生えるきっかけになっています。
そして、今年の夏休みは、カンボジアのインターンに参加しました。メインの活動は企画やビジネス、幼稚園の建設や健康診断などです。以前から貧困に興味があり、ユニセフや海外の寄付団体が紹介している写真が現地で本当に起こっているのか疑問を持っていたのと、本当に困っている方のニーズを確かめるために参加しました。
▲カンボジアのインターン仲間と
Q:「開発途上国で教育事業をやりたい」と思ったきっかけは何ですか
中学2年生の時に両親が開発途上国へお金の寄付をしていることを知ったことが1番のきっかけです。寄付先の国から「教育を受けられない」「飢餓状態」といった内容が書かれたマンスリーレターが届き、当時の私はとても衝撃を受けました。
自分は十分な教育を受けられる立場ですし、日本は勉強が嫌だと言える環境です。しかし、世界の片隅には、教育を受けたいのに受けられない人がいることを初めて知り、悲しみや辛さ全て含めて、どん底に落ちるような感覚になりました。
その時、学校で英語でスピーチをする機会があり、開発途上国の現状やマンスリーレターの内容を伝えたいと思い、全校生徒の前で発表しました。それから中学3年、高校1・2年を経て、このテーマが1番やりたいことだと確信しました。
実際に自分の目で見ることの重要性を知る。
Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか
今年の夏休みに行ったカンボジアでのインターン活動では、2つ印象的だったことがあります。
1つ目は、現地の方たちの印象です。ユニセフや海外の寄付団体で紹介されている開発途上国の写真のイメージでいったのですが、実際は服を着用できていますし、笑顔が素敵な子供が多く明るい印象でした。そのことから、見えない貧困が多く、だからこそ解決しづらい問題なのかなと思いました。
2つ目は、都市部のネオン街です。昼間は賑わっていて楽しい感じの場所でしたが、夜になるとガラッと雰囲気が変わり、物乞いの子供たちが歩いていました。肩を掴んでまでせがまれたり、お腹が空いたような様子でお金をくださいと見つめられたりしました。こういうところで貧困を目の当たりにしました。
本当に生活が苦しいとこうやってお金を集めるんだなと思いましたし、物乞いをする子供たちの後ろには大人がいるのかもしれないですが、お金を渡したくなりました。この2つの貧困の状況を見れたことが大きかったですし、実際は自分の目で見ないとわからないと思いました。
また、活動する中で辛いことや困難な状況もちょくちょくありますが、その苦労は自分を高めてくれると思うので、いいチャンスだと捉えて取り組むようにしています。
Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか
開発途上国で教育事業をやりたいという夢に向けて、それまでに社会人経験や一定の知識がないといけないと考えています。まずはその経験を積んでから30歳以降に実現をしていきたいです。
そして、高校生のうちにリーダーシップやプレゼン、SNSで発信するためのデザイン、マーケなど基本的なスキルを習得したいです。大学進学をしても、もっと幅を広げて活動していきたいと思っています。
活動の幅を広げるために、基本的なスキルを身につけたい!
Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください
プレゼンを作りたいけど、作り方がわからず悩んでいた時に、いいタイミングでカタリバオンラインのプログラムを見つけて参加しました。無料で受けられるし入りやすい環境が整っていて、インプットをしっかりしようと思いました。
また、次に参加したファシリテーションスキルのプログラムは、ちょうど所属している学生団体で自分主催のイベントを控えていたタイミングだったこともあり参加しました。今までファシリテーションをやったことがなく、勉強しようと思っても本を読む時間がありませんでした。実践しながら学べる機会が欲しいと思い受けてみました。
Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか
プレゼンでは自分の知らない知識が得られて良かったですし、一つひとつのプロセスに学びの重みがありました。今後もこうやって組み合わせていけばいいのか!と指標になりました。今もプレゼン資料を作っているのですが、学校で褒められることもありますし、学校のみんなに「どうやって作るの?」と聞かれる立場になりました。カタリバオンラインでプレゼンを学んでいなければ、プレゼンを作成してバリバリ活動していこうという気持ちにはなっていなかったと思います。
また、ファシリテーションでは、「うまいファシリテーションってなんだ?」という疑問を持って参加しました。実践をしながら、他の高校生にフィードバックをもらえて良かったと思います。フィードバックを踏まえて自分のファシリの進め方がはっきりしたので、その後の自分のイベントでも役に立ちました。
参加していた高校生は、熱意を持った人の集まりで、プログラムで飛び交う質問や意見も鋭く活発な印象です。カタリバオンラインは全国の熱意ある高校生がやってくる場所だと思います。
Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!
今自分が一番楽しいと思える時間が、一番成長できる時間だと思います。これからも自分に正直にやりたいことをやっていける仲間に出会えたら私も嬉しいし、そういう高校生が増えたら、世の中の価値観も変わってくるはずです。みなさんとどこかで出会って一緒に活動できることを楽しみにしています。