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自信につながる小さな一歩ってなんだろう?/”問い”を育む 高校生たちの物語。 #28

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

ヤクルトさんプロフィール

高校1年、千葉県在住。
趣味は一眼レフで写真を撮ること。音楽や絵画のように0から自分で考えて表現するのではなく、目の前にある被写体を自分だけの角度から切り取って表現できる所が魅力。アショカジャパンの高校生インターンとして、日本の未来の教育をテーマに活動中。

 

一人ひとりが幸せに向かって進んでいける教育を目指して。

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

教育系の一般社団法人(アショカ・ジャパン)で、高校生インターンとして活動しています。アショカ・ジャパンの高校生インターンは、団体からの要請や指示に応えるのではなく、何をなぜやりたいのか、どう進めるのかをインターン生自身が考え実行するよう期待されています。最初はそのやり方に戸惑いましたが、今は、リサーチチームとSNS発信チームに分かれ、合計6名程のインターン生と協力しながら活動するスタイルがとても楽しいです。私が所属しているのはリサーチチームで、週1回のペースでミーティングを行い、世界中の教育に関する革新的な取り組みやイノベーターについて調べ、今後のイベント企画へのヒントを探っています。

 

Q:なぜその探究活動/マイプロジェクトに取り組もうと思ったのですか

アショカ・ジャパンのインターン活動に参加しようと思ったのは、社会に出た際に役立つ力を身に着けたい、と考えていたからです。確証はなかったのですが実際に参加してみると、自分と同じように教育に興味を持った同学年と意見を交わしていく機会が多く、今まで自分の中にはなかった視点を得られるようになりました。興味関心は同じ“教育”だったとしても、一人ひとりが関心を持ったきっかけや育ってきた背景が異なるため、世の中にはこんな見方もあるんだ、と日々発見に溢れています。

いま、チーム全体で向き合っているテーマは「一人ひとりが幸せに向かって進んでいける教育とは何か?」です。壮大で抽象的かもしれませんが、様々な背景を持ったインターン生が集まる中で、全員共通の最大目標がこのテーマでした。

中学に上がるまで、私は学校の授業が大好きでした。先生と生徒が活発に話し合いながら進めていく授業が多く毎回刺激を受けていたのですが、中学に上がった瞬間に“進学率”が評価指標に入ってしまったのか、知識の詰込み授業が大半になりました。この時から私は「授業の意味ってなんだろう?」「同じ知識を詰め込み競争に勝っていくための授業では、一人ひとりの幸せは作れないのでは?」と考えるようになりました。
だからこそ、いまインターン活動を通して向き合っているテーマは、更に深めていきたい問いになっています。

 


▲インターン活動中の議論メモ。これはほんの一部。
活動全体の議論メモはファイル1冊分にも及びます。

 

ためらいを踏み越え、思ったことを素直に伝えていくことで見えた世界。

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

インターンに参加して何度もメンバーと話しミーティングを重ねる内に、相手が話したことを取り入れながら自分の意見も伝えていくことが出来るようになりました。特にいまは、話合いの中で「言いたい」と思ったことがあれば、その時にちゃんと伝えるように心掛けているのですが、人とコミュニケーションを取ることに強い苦手意識を持っていた私からすると、とても大きな変化です。

チームの中でアイデアが枯渇し解決策がないように見える時も、躊躇わずに自分の意見を伝えていくことで、必ずそれぞれのアイデアを組み合わせた良い案が生まれる、と実感しています。考え議論している時は行き詰まり感が苦しいのですが、新しいアイデアが生まれる瞬間は本当に面白いです。

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

とにかく色んな事に挑戦して、自分の価値観を広げ、新しい関心領域に踏み込んでいきたいです。特に関心があるのは留学で、日本以外の国で行われている教育制度や、人々の教育への姿勢を調べ体感し、将来への選択肢を広めていきたいと思っています。

またインターン活動では、コロナが収束しない中ではあるのですが若手向けの対面イベントを企画中です。多くの障壁が想定されるものの、いま「当たり前」と思いこんでいる常識を改めて深く考えメンバーと知恵を絞っていくことで、実現させていきたいと思っています。

 

迷った時こそ、やってみる時。その先にやってくる自信の欠片。

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

アショカ・ジャパンのインターン活動と同じで、社会に出ても役立つ経験をしたいと思い受講を決めました。最初に参加したのは「ファシリテーションスキル」だったのですが、生徒同士のフィードバックを通して、自分では気づかなかった弱点や良さを知ることができ、とても有意義な時間でした。

特に私にとって一番印象に残っているのは、Day1の実践機会で意を決してファシリテーターに立候補したことです。見ず知らずの人たちの前で立候補することは、私にとっては相当なチャレンジだったのですが、「せっかくの機会だし、やりたいと思っているのにやらないと後悔する」と直感し、実践機会をいただきました。その結果、他の参加者から「よかったよ、もっと自信を持っていいよ」とフィードバックをもらい、自分の課題は「自分に自信を持つことなのか」と気づくことが出来ました。

また、自分のやりたいことや目標を持っている高校生が多い、とも感じました。私がインターン活動を進められているのは、私自身がどうしても成し遂げたいことを持っているからではなく、他のメンバーと一緒に考え進められているからです。ゼロから新しいアイデアを立ち上げたり実践したりすることにはまだ苦手意識があるため、自分で一から立ち上げようとしている他校の生徒さんは、純粋にカッコいいと感じます。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

とりあえず、迷ったらやってみましょう。一回やってみたら、色んなことにチャレンジしてみたくなるし、自信もついてくるはずです。私自身、迷ったり悩んだり立ち止まったりすることもありますが、一つひとつ「やってみる」を積み上げたことで、視野や視点が拡がっていくのを感じます。ぜひ皆さんも、一歩を踏み出してみてください。