心のケアを置き去りにしてしまうのは何でだろう? /”問い”を育む 高校生たちの物語 #32
「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。
日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。
はらぺこ学生さんプロフィール
高校2年、栃木県在住。コロナの影響もあり大々的な課外活動はできていないものの、Junior Red Crossというボランティア委員での活動に参画している。人の役に立つことで「ありがとう」と言われることが喜び。カタリバオンライン for Teensのプログラムに参加しながら、「心の元気をチャージする居場所」づくりを構想中。 |
悩んでいる全ての人に伝えたい、セルフケアの大切さ。
Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください
まだ企画中ですが、同世代の高校生に「心の健康」の重要性を伝えていく活動を立ち上げようとしています。
人間の身体は、寝て起きたらある程度疲労を回復させることができますが、心の疲れは寝て起きても変わらないことがあります。だからこそ、自分で自分の心をケアする方法を知り、実践していくことが大切だと思うんです。
先日、カタリバオンライン for Teensのイベント企画力で20分間のワークショップを実践したので、今後はワークショップデザインクラスを通して90分の「心の健康ワークショップ」を開催し、ゆくゆくは学校内外にも活動を拡げていきたいと思っています。
Q:この活動に取り組もうと思ったきっかけを教えてください
高校1年生の時、私自身が心の不調を抱えたことがきっかけです。
同級生が地元の高校に進学する中、私は片道2時間かけて通学する必要のある学校に進学しました。
当然友人もおらず、毎朝2時間の通学は肉体的にも疲労が溜まってしまったのか、次第に心に黒い靄がかかるようになっていってしまいました。
一方で、学校からブルーな気持ちで帰宅しても、家では安心して過ごすことが出来ていました。
家には、いつも温かく受け入れてくれる家族や犬がいて、私の元気の源に溢れています。
そんな安心できる家と同じような気持ちで学校でも過ごしていきたい、と考えるようになり、そこから手あたり次第にセルフケアの方法を調べ、試していきました。
一番効果があったのは、身体を思い切り動かすことです。元々体育や身体を動かすことは好きでも得意でもなかったのですが、ある体育の授業の際に、「今日は思いっきり全身を動かしてみよう!」と思いやってみると、授業後に驚くくらいに気持ちがスッキリしていました。
人によって効果のあるセルフケアは異なると思うのですが、自分自身を労わる方法を知ること、そして何よりも、環境のせいにするだけでなく自分自身から変えていくことが大切だと思うようになりました。
真っ黒な靄に苦しんだ時期があったからこそ得られた学び。
Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか
まだ活動として立ち上げたり人を巻き込んだりはしていないのですが、高1の時に感じていた黒い靄を晴らしていけたことで、「自分に関心を持つ」ことの大切さを学ぶことができました。今までは、何を選択するにもぼんやりと他人任せに生きてきていたのですが、自分で自分自身を変えていく経験を得られたからこそ、主体的に動けるようになったと思います。
主体的に動くというと大げさかもしれませんが、自分の人生を生きる最初の一歩目は、自分に興味を持つことではないでしょうか。
これらの気づきがあったからこそ、高1では考えられなかった生徒会への立候補を、高2で果たすことができました。
有難いことに生徒会役員も任せてもらえることになり、今は校則改正に向けて動いています。
Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか
みんなにとって第三の居場所のような環境をつくることです。いま構想しているのは、「チャージ」という名前の居場所やサービスです。
初めましての人同士が一杯のドリンクで繋がれるカフェや、自分たちのセルフケア方法を共有しお互いの人生ストーリーを応援し合えるスマホアプリなど、「自分を労わるセルフケア」の循環が生まれるようにしていきたいと思っています。
ちなみに、「チャージ」は「心の充電をしよう」という想いから名付けました。スマホの充電がどんどん充ちていくように、私自身が起点となって多くの人が元気をチャージできる機会を届けていきたいです。
▲現在構想中の「チャージ」のイメージ図
アイデアを形にする方法を教えてくれたカタリバオンライン 。
Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください
高2になってから、こんなことをやってみたい!というアイデアがどんどん湧いてきていたものの、実際に形にするのがすごく難しいしどうやったらいいのか分からない、と感じていました。
そんな時にインスタグラムの広告でカタリバオンライン for Teensのイベント企画力を見つけ、「ここには今私に必要なものがある」と直感してすぐに申込みました。
また人と話すことが好きなので、「カタリバ」=「語る場」なのかと想像し、名前に惹かれたのも理由の一つです。
Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか
運営の方と参加者がとても温かい雰囲気を作ってくれていたので、居心地もよかったし本当に楽しくて、気づきや学びを得やすい環境でした。
今回私が参加したのはイベント企画力だったのですが、講座の中でやりたいイベントを考えて行くうちに、改めて自分はなぜ・何をやりたいのかが見えるようになっていきました。
今後は、90分間でオンラインイベントを自ら主催するワークショップデザインに参加して、自分の企画をもっと練り上げ同年代に届け、さらにその後は学校内外でチャージの実現に挑戦していきたいと思っています。
Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!
高校という環境だけに縛られず、自分のやりたいことを見つけて行ってほしいと思います。
少しでも興味を持ったら挑戦してみること。
そんなチャレンジが自分だけの素敵な人生に繋がっていくと信じています。