自分の世界を広げるきっかけは、どうしたら作れるんだろう?/ “問い”を育む 高校生たちの物語 #33
「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。
日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。
おうかさんプロフィール
高校1年、東京都在住。国際交流ボランティア、With us project、演劇部の3つの活動に参加している。一番力を入れているのは、副代表も務めている国際交流ボランティア。休日にも外部のボランティアイベントに参加するなど、精力的に活動の幅を広げている。 |
私の世界を広げ、自信まで培ってくれた国際交流ボランティア。
Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください
国際交流ボランティアという校内団体の副代表として、数々の校内外向けイベントを企画・推進しています。校内向けイベントでは、「世界の扉を開く会(セカトビ)」や「グローバルDay」といった、
生徒がフランクに世界情勢に触れあえる機会を作っています。
また校外イベントとしては、ルワンダへの募金活動や外部の社会貢献活動への参加など、幅広く活動しています。
2021年11月には、東京都の国際理解教育に力を入れている学校が各自の取組みを発表しあう
「東京都国際教育研究協議会」にて会長賞を受賞することができました。私たちが発表したのは、コロナで人との交流が制約される中でも、「オンラインだからこそ行える国際交流・ボランティアとは何か」についてです。
実際、今までは対面や現地訪問が国際交流・ボランティアの前提でしたが、コロナ蔓延以降はオンラインで提携しているルワンダやスロベニアの方々と繋がることで参加ハードルが下がり、今まで以上に多くの生徒に参加し興味を持ってもらうことができました。
会長賞を受賞できたことはもちろん跳ね上がるほど嬉しかったですが、発表に向けて代表メンバー3名と日夜議論を交わし、草案作成や発表練習に打ち込んだ日々も、私にとっては刺激的で多くの学びを得ることができました。
国際交流ボランティアは、このように自分の考えを練り、発信し、外と繋がってくことができるため、私にとってかけがえのない存在です。
▲様々な校外活動で活躍するおうかさん
Q:この探究活動/マイプロジェクトに取り組もうと思った背景を教えてください
国際交流ボランティアに出会ったのは中学1年の時です。
新学期の部活オリエンテーションで先輩がプレゼンしていた姿がとてもカッコよく、
「私もこうなりたい!」と憧れたのがきっかけでした。
元々私はかなりのコミュ症で、人と話すことが大嫌いでした。発信したことが相手に伝わらない・響かないということに、ショックを受けることが多かったからです。
けれど国際交流ボランティアに入部すると、必然的に意見を求められ発信する機会が増えていき、自分の考えを表明していくことへの抵抗がどんどんなくなっていきました。
また課外活動にも力を入れているため、普段の学校生活では出会えないような大人たちと話す機会もあり、人との出会いによってどんどん知識と世界が拡がっていったんです。
自分が一歩踏み出していくことで今まで知らなかった世界が開けていく感覚や、自分の意見を表現して相手と繋がっていく感覚。
これらは今までの私が感じえなかった成長実感で、このような変化をもたらしてくれた国際交流ボランティアには感謝してもしきれないですし、今後も貢献していきたいと思っています。
80人「全員参加」の部活は、どうやったら作っていけるのだろう?
Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか
国際交流ボランティアに所属する全員が参画しやすい環境を作っていきたいです。
現在の部員数は、中学1年から高校2年までで80名程度なのですが、実際に活動しているのは20名程です。
他60名は、部活に所属はしているものの参画度も帰属意識も低い状態が続いています。
「80人全員で運営していくのは難しい」といった声も散見されるのですが、私はそこに踏み込んでいきたいと思っています。
もちろん、全員に100%国際交流ボランティアに注力して欲しい訳ではありません。
ただ、私自身が変わるきっかけを得られたため、
何か一つでも、この部活を通して自分を見つけたり変えていくヒントを掴んでもらえたら嬉しいです。
そのために重要だと思っているのは、中心メンバーが担っている仕事を他メンバーに振り分けることと、イベント企画のハードルを下げて気軽さを生み出すことです。
今は、運営の中心になっている20名が相当の熱量をもって全ての仕事を担っているのですが、
その熱量が他メンバーの士気を下げてしまったり、仕事を巻き取ってしまっている可能性があります。
また、そのような熱量で全てのイベントを開催しているため、
一つひとつの仕事のハードルが上がり、参加も主催も気軽にできない状況を生み出しているのではないかと思っています。
80人という規模で、どう「全員参加」の部活を作っていくかはかなり難易度の高い取組みですが、まずは中学1年から自分の意見をプレゼンする機会を設けるなど、出来ることを一つずつ積み上げていきたいです。
まずはノリでやってみよう!その一歩が、自分を変えるきっかけになる。
Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください
参加した理由は二つあります。
一つは、国際交流ボランティアで共に活動している仲間を見ていて「自分には確固たる軸がない」と焦りを感じた瞬間があり、軸探しのヒントがないかと探していたことです。
もう一つは、校内イベントの司会進行を担う時期だったため、スキル学習をしたいと思っていたことです。
この二つの悩みが頭の片隅にありながらInstagramを見ていたところ、カタリバオンライン for Teensの広告が流れてきて、「これだ!」と思いイベント企画やファシリテーションスキルに申し込みました。
Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか
初めて参加した時は「これはボランティア部のためにあるようなプログラムだ…!」と感動しました。
国際交流ボランティアは、前述の通り自分から発信したりイベントを企画する機会が多いため、カタリバオンライン for Teensで学んだ内容は他のメンバーにもぜひ受けて欲しい内容でした。
特にファシリテーションスキルは改めて基礎を学べただけでなく、セルフチェックシートの配布もあったため、今まで自己流で進めていたファシリテーションの何が良くて何が改善点なのかを理解することができました。
一点惜しいとすれば、時間が90分と短いことです。
実践を重視しているので仕方ないことなのですが、欲を言えばもっと参加者と話したいですし、実践の振り返りもじっくり時間をかけて行えたらいいなと思います。
Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!
やっぱり、ノリが一番!ということでしょうか。とは言っても、ノリで物事を決めて進めていくのはかなり勇気のいることだと思います。
ただ、何か一つでも新しいことを知ったり、興味のあることに好奇心をもってちょっとだけ触れに行ったりすることで、知識も視野もぐっと拡がっていきます。
国際交流ボランティアでも、最初のきっかけづくりを意識してイベント企画運営をしているのですが、高校生だからこそ、あまり深く考えずノリでやってみることをお勧めしていきたいです。