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自分の無知さと向き合って見えてきた未来とは?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #34

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

ゆうかさんプロフィール

高校2年、熊本県在住。放送部、生徒自治会、人権問題研究部、教科書バンクに所属。

人権・教育・ジェンダーの領域に関心があり、学校内外問わず話し合いの場やオンラインセミナーへ意欲的に参加している。趣味はピアノ、習字、図書館へ行くこと。

 

自分が知っているつもりでも、知らない情報が沢山あることに驚いた。

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください 

学校の探究授業では教育の中でも貧困とヤングケアラーをテーマに調べています。また、子どもの人権、女性の人権に興味があります。特に話をしたいのは子どもの人権についてです。

2022年、高2の夏休みを利用して熊本阿蘇にあるボランティアワークキャンプに参加しました。興味のあるテーマを選んで簡単なゲームをしたり、みんなで議論しました。私はストリートチルドレンをテーマに選択しました。貧困の国は表向きは物資がないことが課題になっていますが、私たちが知らない所で人々が犯罪に手を染める等、普段表には出ない現実を知り、自分にはまだまだ知らない情報が多すぎて驚きました。

貧困地域の子ども達が平等に教育を受けられたり、現状をまるごと変えていくには時間がかかると分かっているからこそ、少しずつ、彼ら彼女らが文字を読めるようになったり、ストリートチルドレンが安心できる居場所があったら良いなと思っています。

そして、自分とは住んでいる所も地域も違うけれど、今までは身近に感じづらかった問題について詳しく知ったことで、将来的には貧困に困っている子どもを支援できる仕事に就きたくなりました。

ボランティアワークキャンプで実施したワーク

 

Q:取り組む中で嬉しかったこと、大変だったこと、工夫したことはありますか?

今は、自分でオンラインセミナーを検索したり、学校からの案内を活用して情報収集することを心がけています。なぜなら課題設定をしようと思っていても、知識がないとアイディアを引っ張ってこられないからです。

オンラインセミナーに興味を持ったのは高2の1学期後半頃でした。ある日、世界で起きている実情をニュースで知り、自分の無知さを実感することがありました。分かっているつもりでも全然分かっていないことに気づいた瞬間でした。情報を得る習慣は身についたものの、今の私はセミナーに参加し、情報を一方的に受け取っているだけに留まっており、今後はより自分から発信したり現地に赴きたいと思っています。

 

話を広げるコツを知り、もっと話したい・知りたい欲が湧いてきた

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

高1の時は、学校に慣れる・友だちと話す・高校の勉強など学校生活に追いつくことに精一杯で、周りが見えなかったように思います。そして、高2になって少しゆとりが出てきて、色々なことに興味を持つようになりました。

一番の変化は、学校の教科書で目にする文章や画像と自分が知っている情報の関連性を自分なりに見つけられるようになったことです。そして、人権問題研究部に入ってからは、少しでも知った情報があったら、それに対してはっきり自分の意見を言い、そこから話を広げることができるようになりました。さらに、もっと話したい・知りたいという意欲が湧いてきています

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

今は高校生で出来ることは少ないですが、募金をすることで貧困で困っている人へ想いを届けられると思っています。お小遣いの範囲だけれど、それでも出来ることはあるはずです。また、現在所属している教科書バンクという団体の中で、教科書を再利用してノートを作る取り組みに関わってみたいです。他にも、オンラインのイベントを自分で企画したり、学校で話しあいの場や講師を招いて生徒との対話の場を作りたいです。今計画していることが実現できたら、その時は達成感を感じるかもしれないけれど、「まだまだ…」と思いそう。もし、まったく現状が1mmも変わっていない、と感じたら、もっとやらなきゃ・貧困で困っている人を支援したいという気持ちが強くなって、今より一歩前へ進めると思います。

 

スキル向上だけでなく自分から話す大切さを同世代の参加者から学んだ

 

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

たまたまインスタの広告で見つけました。そこで感覚的に「なんだろう?」と思ってページを開いたら、「このテーマって自分に必要」と感じました。会話する力が自分にはなくて苦手と思っていたので、参加してみました。

 

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

プレゼンスキルプログラムは学ぶことが多く、参加者が意見を出しやすい空間だったので楽しみながら取り組めました。私は書類を作成したりまとめたりするのが好きだけど、話をしながら画像を見せて説明すると、スライドと話している内容がズレていたり、時間が足りないと感じました。

このような経験を通して自分の力を試すことができました。楽しかったけれど、時間内にしゃべる人ってすごいと改めて思いました!

イベント企画は少人数での開催だったため、話しやすく楽しみながらできました。これまで色んなイベントがあるのは知っていたけれど、どうやって成り立っているのかは分かりませんでした。

プログラム中にイベントを企画するということは、こういう感じなんだと、知ることができました。同時にイベントは最終的なゴールが決まっていないと、なんでそういう風にしようと思ったのかが、あやふやになるので注意が必要です。

そして、発表したときにいろんなアドバイスを同世代の参加者がくれ、素直に受け入れられました。何より自分が一番スムーズに身体が動いたことが嬉しかったです。

参加していた同世代の高校生たちのやる気がすごいな、と感じました。ファシリテーションの時に、私は自分から話したりできなかったけれど、一緒に参加した人は積極的に人を当ててその場を回していました。自分から話す力は大切だなと思いました。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

知らないことがいっぱいあるから、まずは調べてみよう。自分が新聞やニュースを見ていて、さらっと流して読むのではなく、目に留まった記事について調べてみる。授業を聞いて気になった小さなきっかけを調べることから始めてみてください

私は知ることから色んな事に興味を持ったり、色んなオンラインのセミナーに参加したりと、様々な機会につながっていったので、最初から興味を持つのは難しいけれど、知ったところから興味が広がるはずです。そこから、知ったら課題も見えてきます。知識を事前に知っていることで共通の話題から多くの人と話す機会が増えていくはずです!