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自分の「好き」を、どうやって探究に繋げたらいいんだろう?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #38

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

あいさんプロフィール

高校2年、埼玉県在住、弓道部、書道部、生徒会そしてエンタメ委員会に所属。

「学校」や「教育」というワードに興味があり、将来は教育系の仕事に就きたいと考えている。

 

探究の始まりは、自分の「好き」なこと。

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

「SDGs×ジブリ」で探究学習を進めています。最初は、探究をどうすればいいか分かりませんでした。ジブリは奥が深い!と、分かっていたものの、一番好きな作品は?良さは?と聞かれても、答えられない自分がいました。良さといっても沢山あるし、なかなか言葉にできない…。それに引っかかってました。

 

そのため、まずは自分の好きなジブリのことを調べることからスタートしました。具体的には考察動画を観たり、ジブリに関する教育論文を読みました。更に「鈴木敏夫とジブリ展」へ行って、ジブリや監督の考えを知りました。また、私の通う学校ではSDGs教育に力を入れていることもあり、ワークショップ等でSDGsのことを学び、そこからジブリとの掛け合わせを思いつきました。

 

調べていくうちに、ジブリの作品には「社会問題、環境問題に関するメッセージが込められているのではないか?」と気がつき、それを読み取って、そこからどうやってアクションをして、解決に向かっていくかを考える探究に辿り着きました。

現在は、メッセージが分かりやすく、参考にしやすいものを選んで、ワークショップをしています。もののけ姫は特に想いを伝えやすい環境問題を扱った作品です。

 

疑問に思ったことは「どうすれば良くなるのか?」プラスαを生み出せる。

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

 

自分の好きなことなので、全てが楽しくて夢中になって調べたり考えたりしました。逆に、好きなことをどうやって周りに伝えるか悩みました。イベントをするにあたって、相手目線に立ちながら、もう一度ジブリを観てもらえるように工夫しました。もう一回観たい!こうやって考えるともっと面白くなるんだ!!といった感想があり、自分の好きなことがちゃんと伝えられていることが実感できて嬉しかったです。

 

探究を通して、自分ができることについて視野が広がりました。SDGsに関連して身近なところから自分ができることに着目し、実際に行動を起こした例では、書道部で筆を洗うときの水がもったいないと感じたので、バケツを使うようになりました。そして、ペットボトルの水を飲みきれるよう意識できるようになりました。

 

思考の変化も感じています。先ほどから「水」に着目していましたが、普段学校で利用している水がぬるいと思ったところから、給水タンクの改良ができないのかと考えるようになり、どうしたらその疑問が改善できるようになるのかを考えるようになりました。

 

▲SDGsのイベントに参加した時の写真

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

 

最近は、サブカルチャーにも興味を持っています。既に世界中に広がっている様子から、「サブ」カルチャーではなく、普通のカルチャーなのでは?と考えるようになり、2月には、新たな問いで探究をスタートしていきたいです。例えば、戦隊ものを取り上げてみるのかどうかを考えています。ヒーローと悪役がいて、ヒーローが好きな人が多いですが、悪役が好きな人もいます。悪役にも守りたいことがあって、ヒーローが悪役の邪魔をしているという見方もあるはずです。「この考えの差がどこからきているのだろう?」と感じています。面白い探究になりそうです!

 

探究のおかげで、テーマが既に決まっていることもあり、行きたい大学へ行くためにもっと磨きをかけたい!と意欲に燃えています。私にとって探究は、進路選択の大切なポイントになっています

 

将来の夢は、「子供たちが社会問題に関心を持って、それを解決しようとする未来」を実現することです。この未来へ向けて、自分が実現したいことが2つあります。1つ目は教育事業を行う会社に就職することです。大学教員にも興味を持っています。2つ目は自分の研究したことについての本を書き、自分の考えを広めることです。そして、社会に影響を与えたいと考えています。

 

全国の高校生と話ができたら自分の成長になる!だから、一歩踏み出せた。

 

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

 

私自身Teensについて知りませんでしたが、校内の探究でお世話になっているメンターさんに教えてもらいました。それまではオンライン上で学べることを知りませんでした。

参加当初はドキドキしていて、zoomがうまく使えるのか不安でしたが、いろんな話を聞いたり、ディスカッションするのが好きだったので、学校内の高校生だけではなく、いろんな高校生と話ができたら、自分の成長になると思って、勇気を出して一歩踏み出しました!

 

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

 

プログラムの中でも、参加者とディスカッションする時間がとても印象的でした。

オンライン上でうまく話を振ったり、話を受ける場面の学びが多かったです。

15分くらいのワークショップだったので、みんなもすごく暖かくて、積極的に参加してくれたので安心できました。

緊張したけれど、3日間のプログラムで、オンライン上でも他の人と距離が近づき、日を追うごとに話しやすくなりました。少しずつ参加者やスタッフと距離が近づいていくことでオンライン上でも参加しやすかったです。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

 

探究活動で一番大事なことは、自分の好きなことを見つけて、探究することです。

それがモチベーションにもなるし、そこからキーワードを結びつけたり、いろんな機会を得られます。何よりも自分の好きなことは、楽しめるし、良い探究に繋がります。

小さいことや、気になるなってことを調べたり、ちょっとGoogleで検索すると、これいいなって思う「心に残るキーワード」があったりします。

 

探究の初めの一歩は大きそうに見えるけど、実は生活の中の小さなことからできます

 

Teensでも「問いを大切に」と出てきますが、まずは色々なことに興味を持つことがそのスタートだと思います。自分の興味のある分野を始めから決めつけないでください。視野を広げ、興味を広げることからやってみてください。