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私たちにとって、最良の「教育」ってなんだろう?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #46

 

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

くるみさんプロフィール

高校2年生、富山県出身。現在アメリカに交換留学中。

幼い頃から英語とバレエが大好きで、留学中の今も環境保護活動のボランティアに参加し、

モダンバレエやチアリーディングも習っている。

 

日米の教育の良いところを融合させた、新しい教育機関をつくりたい。

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

 

“学校以外の教育環境”を作りたいという夢に向かって、今はアメリカに1年間留学をしながら、日本とアメリカの教育に関する比較研究を行っています。対象にしているのは教育制度や授業の内容、休み時間の過ごし方、先生・生徒の自由度などです。既に日本の高校にはアンケート調査を実施したので、今はアメリカに対する準備をしているところです。

小さい頃から英語や海外の人との交流に馴染みがあったため、海外留学は自然と「したいなぁ、するだろうなぁ」と思っていました。大きなきっかけになったのは、高校進学後の勉強方法に衝撃を受けたことです。

今までは教科書とノートを中心に勉強を進めていたのですが、進学後はiPadを使ったプレゼンやディスカッションがメインでした。今までと異なるツールを使って学ぶことに面白さを感じ、ツールの違いだけでこんなに面白いなら、国が違ったら教育はどうなるのだろう?と気になり始めたんです。

こうした背景から「英語」と「教育」を中心に探究活動を進めていたのですが、実際にアメリカに留学してみて気づいたのは、「日本の教育は思っていたより悪くない」ということです。留学前はSNSやインターネットの影響で、日本の教育はイケてないと思い込んでいたのですが、アメリカの教育にも良し悪しがあります。だからこそ、今は日米の教育の良い所を融合させた“学校、もしくは学校以外の教育機関”を作っていきたいと思っています。

▲留学中のアメリカでも、チアリーディングに取り組むくるみさん。

 

Q:取り組む中で嬉しかったこと、大変だったこと、工夫したことはありますか?

 

一番大変なのは、留学しているからこそのプレッシャーがあることです。留学は全員ができる経験ではないからこそ、少しでも学びを得て帰らなければという焦りもありますし、アメリカの学生は日本と違って探究学習を進めていないので、自分から働きかけないと活動を理解してくれる人は現れません。

一方で、リサーチの一環で外部プログラムに参加し、同じように頑張っている同世代と繋がれることは大きな喜びの一つです。カタリバオンライン for Teensでも、同じように教育に関心を持って海外に留学している生徒さんと出会ったのですが、共通の想いを持って活動している人と交流できたため、本当に嬉しかったです。話をすることで自分の取組みにも自信を持てましたし、具体的に夢を叶えていけるかもしれないと期待も大きくなっていきました。

 

「好き」は最大の原動力。好きなことは好きと思っていい!

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

 

「好きなことを好きって思っていいんだ!」というのが一番の気づきです。中学までは、成績を良くして内申点を上げることが私の中で第一優先でした。けれど、高校進学・アメリカ留学を経て色々な人・文化に接する中で、もっと自由に、自分を追い詰めすぎなくてもいいんだと思うようになりました。

私がいまプレッシャーを感じながらも日々楽しく過ごせているのは、英語が好き・教育分野が好きという「好き」を突き詰めてきたからです。そして、その「好き」を突き詰めることを許してくれた家族や学校といった環境があったからです。好きなことに取り組める環境は人にとって一番のモチベーションになると思っているため、そういった教育機関を作れたらと試行錯誤しています。

そのためにも、今は世界にどんな教育機関があるのかを調査しています。カタリバオンライン for Teensも多様な学びの機会を提供してくれているため参加しました。どんな機関があり、どんな学びを提供しているのかを知ることが、今後の構想に役立つ材料になると思っています。

 

自分の探究を後押ししてくれるスキル・人と出会える場所。

 

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

 

自分で好きなプログラムを選べるのが何よりも魅力的です。学校では習えないプレゼンのスキルを学べたり、大学生企画のような場では同じように教育に関心を寄せる高校生と出会えたり、自分の探究を後押ししてくれる場だと思いました。特に富山県にいると交流の場が少ないので、地方の学生にとって役立つ場所になるのではないかと思います。

色々なプログラムがある中でも、私にとって大きかったのはワークショップデザインです。学校でもワークショップを実践する機会はあるのですが、参加者が全員友人なのでシミュレーションにはなるものの、あまり挑戦している感覚にはなりません。けれどワークショップデザインでは、今まで会ったことのない同世代を集客して実施するため、新たな挑戦をしている感覚を持てます。

また、学校の探究学習はグループ活動が多い気がするのですが、今回は企画・広報・実施を全て1人でやったので、企画に必要なことはもちろん、スケジュールの立て方やタイムラインの作り方など、細かな所まで実感することができ、とても貴重な経験でした。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

 

私はアメリカに来て、自分自身を認めたり、敷かれたレールからちょっと外れるような挑戦をしてみたりすることの大切さを学びました。そしてアメリカに来たからこそ、日本で学生生活を送れることの特別さも感じています。日本にいると海外に目を向けたくなるかもしれませんが、今日本にいることの意味も考え、大切にして欲しいと思います。みんなで、一緒に頑張っていきましょう!

 

▼くるみさんが実施した高校生企画はこちら!▼

https://katariba-teens.online/wsd230406/