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大好きなこの地域を守るために、何ができるだろう?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #47

 

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

せいてぃさんプロフィール

高校2年生、鹿児島県在住。

校内の生徒会長だけでなく、ジュニアリーダークラブの会長も務める。

電車で2時間の範囲で行ける一人旅が好きで、出かけた先で色々な人と交流していくことが、地域愛にも繋がっている。

 

地域の人たちの声を反映して、私たちのための防災マップをつくりたい。

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

 

「自然災害に強い地域を作るには?」というテーマで、地元の方々に使ってもらえる防災マップを作成しています。元々地域の様々な情報に目を通すのが好きで、たまたま私が住んでいる市のハザードマップを見た時に、2,000人の人口に対して避難所が少なすぎるのではないか、と疑問に思いました。また、自分が避難することを想定してマップを見てみると分かりづらいことも多く、これでは地域の方もスムーズに避難できないと感じたので、地域の方々にインタビューを行いながらお手製のハザードマップを作ろうとしています。

大きなきっかけになったのは、2017年に起きた水害です。元々7~8月は市にとっても水害が起きやすい時期でもあるのですが、2017年は全国的な豪雨が頻発した年で、「自然災害」が身近なものになっていました。加えて、私は自然の欲張りセットみたいに山川海に恵まれたこの地域がとても好きだったため、どうしたら自然と共存できる強い地域を作れるか?と考えるようになっていきました。

 

愛嬌と笑顔を大事にしながらも、相手が協力したいと思える話し方を。

 

Q:取り組む中で嬉しかったこと、大変だったこと、工夫したことはありますか?

 

活動に取り組む中で一番工夫したのは、アンケートを依頼する際の話し方や言葉遣いです。今回実施したアンケートは、すべて手書きで地元の方々一人ひとりに直接お願いしていったのですが、こうした活動にはあまり前向きでない方が多いと想像していたため、できるだけ断られないような説明の仕方を心掛けました。

最初は普段通りの話し方でお願いしにいっていたのですが、中には厳しいコメントをされる方もいて、そこで初めて、活動に協力いただくには普段話しているようなトーンでは通用しないんだと気づきました。そこから、できるだけ丁寧に実施背景や「地域についてもっと皆に知って欲しい」という想いを伝えていくようにしました。結果、かなり多くの方がアンケートに協力してくださり、とても嬉しくありがたかったです。

▲ハザードマップ作成にあたって使用したお手製のアンケート

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

 

一番勉強になったのは、情報収集の仕方や協力依頼する時の話し方です。今までは、情報収集する際もTwitterを活用したり、人にお願いする時もついつい砕けたままで話したりしていました。

けれど今回の活動を通して、協力してもらいたいなら信頼できる情報源を活用することや、相手と立場が違うからこそ線引きをして接していく必要があることを学びました。相手とどれだけ仲が良かったとしても、砕けた話し方ではなく丁寧な言葉遣いで分かりやすく話を進めていかないと、相手が不快に思ってしまう可能性があるからです。

また、自分の強みは「愛嬌と笑顔」かもしれないということも、今回改めて気づきました。行政の人とともにこにこしながら話していたら相手もフレンドリーに接してくれたため、緊張せずに安心しながら話を進めることができました。今回、探究活動を通じて色々な人と関わったからこそ気づくことが出来ました。

今後は、鉄道の存続が地域にもたらすメリットについても探究していきたいと思っています。鉄道は、特に免許を返納してしまった高齢者にとって重要な移動手段にもかかわらず、存続が危ぶまれている路線が数多くあります。まずは私が住んでいる市を出発点にこのテーマについて探究することで、交通の便が悪い他の地域にも役立てることができるかもしれません。

 

実生活でも役立つスキルを、全国の高校生と学び高め合える場。

 

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

 

Instagramで流れてきた広告を見て、面白そう!と感じたため好奇心だけで参加しました。進学にあたって総合型選抜を利用しようと思っているため、特にディスカッションスキルやプレゼンテーションスキルはとても役立ちそうだと感じています。

実際に参加してみると、普段は繋がれない神奈川県や佐賀県など全国の高校生と一緒にスキルを高められるのがオンラインならではだと思いました。また、カタリバオンライン for Teensのプログラムは全てが自分の興味あるテーマなので、学校よりも真面目に受けているかもしれないです。自分のやりたいこと・好奇心に基づいて取り組んでいるので、まったく集中力が切れないんですよね。

色々なプログラムを受講しましたが、中でもファシリテーションスキルはジュニアリーダークラブの会議進行でも役立ちました。今までは少数意見の人が取り残されてしまうような進行をしていたのですが、ファシリテーションのコツを学んだことで順序だてて進められるようになりましたし、皆と一緒に合意形成できるようになった気がします。

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

 

地域との関わりをつくりましょう!最初から深く関わる必要はありません。ちょっとずつ、挨拶からで十分です。防災の観点から見ても、日頃の地域との関わりが薄いと避難が遅れる傾向にあるため、地域との繋がりを作ることは、目先だけでなく思わぬ所でも役立ちます。地域の人を見かけたらちょっと声を掛けてみる、世間話をしてみる、それだけで全然違うので、ぜひやってみて欲しいです。