自分のやりたいこと、アイデンティティ、夢は何?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #51
「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。
日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。
自由の魔女エルさんプロフィール
高校3年生、新潟県佐渡島出身。小さい頃から魔法が好きで、趣味は、魔法や宗教の本を読むこと、MV作成。高校2年生の時に学生団体を立ち上げ、地元佐渡島の地域活性や格差是正に取り組んでいる。 |
アーシングヨガで佐渡の自然をPR&地域活性
Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください
一つは、「エルの波」という私が立ち上げた学生団体で、佐渡の起業家と学生活動家たちをつなげるコミュニティラボを作ろうとしています。高校1年生の時に、「里山未来ユースサミット」という地域活性化のイベントプログラムに参加して、佐渡の課題についてディスカッションとプレゼン発表をしました。その内容が、佐渡の自然そのものを体感できるアーシングヨガを通して移住者を増やしたいというアイディアだったのですが、観光交流機構賞とグッドアイデア賞をいただきました。その後、体験型観光商品としてアーシングヨガを商品化することになって、学生団体を立ち上げて今に至ります。
もう一つは、SFC地域創生団体HIRONDELLEという団体で地方の教育格差や情報格差をなくすための活動をしています。他にも、富士通デザインセンターの地域創生プロジェクトの高校生登用人材として、佐渡を食でつなぐGACHIコミュニティレストランの運営兼メンバーとしても活動しています。
▲高校2年生の時に企画した、佐渡の自然を体感できるアーシングヨガのイベント。
自然と科学の融合 魔法を通して世界中の人に感動を与えたい!
Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか
本当にいろんな人に助けられているんだということ、人と人とが関わって社会が成り立っているんだな、ということをひしひしと感じました。昔の自分は人との繋がりをあまり意識したことがなかったのですが、プレゼンの発表会等で多くの人と交流する機会があり、繋がりを感じることが増えました。その関係からMV作りに発展したり、今でも電話でディスカッションや近況報告をしたりしています!人との繋がりは今後も大切にしていきたいです。
▲佐渡をPRするために作った自作MV。
Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか
一つはエルの波で、佐渡の起業家と学生活動家たちをつなげるコミュニティラボを作って、地元地域に貢献する活動を続けたいです。以前は「佐渡は何もない離島だから、脱獄してやる!」としか考えていなかったのですが、団体での活動を通して、地元のために協力しあいながら事業を創り上げている大人がいると知りました。その姿は純粋にカッコいいと思いますし、これから島外に行っても、佐渡と繋がりながらインフルエンサーとしてPRしていきたいです。
もう一つは、最近MR(複合現実)などの最新技術に興味を持っていて、アート×音楽×デジタルの研究を始めようと思っています。私のアイデンティティである「魔法」を現せるのはMRだと思っていて、そうした最先端技術を使いながら、アーシングヨガで学んだ自然の美しさも大事にした、自然と科学の融合を楽しんでもらえるようなフェスを、世界中を旅しながら開きたいと思っています。目には見えない精神的な領域を、アートで表現して鑑賞体験として提供できたらうれしいです。
大事なのは人の評価よりも、夢を見つけてアイデンティティを確立すること。
Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください
身の回りに積極的に課外活動を進めている子がいて、その子に感化されたのが一番の理由です。アーシングヨガが終わってひと段落したタイミングで、自分も何かやりたいとTwitterで機会を探していたらカタリバオンラインを見つけました。プログラム一覧を見て、「自分がめちゃくちゃほしかったものがここだ!」と思い予定を確認してすぐ応募しました。
Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか
一番印象に残っているのは「イベント企画力」です。参加者全員が個性的で、目標を持って活動を進めている人が多く、とても刺激を受けました。プログラムの中では、実際に自分でスライドを作りイベント発表をするのですが、1週間という短期間でスライドを作る経験をしたことがなかったので、「こんなにパソコン触るのか?!」というくらい忙しかったですが、とても為になりました。
また、「プレゼンテーションスキル」のプログラムでは魔法について話したのですが、誰もが信じてはいないものを、わかりやすく身近に感じてもらえるように説明することに苦労しました。私はスライドを作ったのですが、口頭だけで話される方もいて、ジェスチャーや表情、言葉だけでイメージをかき立てさせることができるのだと、他の方のスキルにすごく驚きました。
Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!
本当に自分のやりたいことは何なのか、夢は何なのかを、カタリバオンラインのようなコミュニティを通して色々な人と触れ合うことによって再認識し、自分のアイデンティティ確立に繋げていってほしいと思います。
課外活動は夢の発見や交流の広がりに繋がるものの、バックグラウンドや実績を求められがちな悲しい現実があります。私自身も、最初は好きで活動していたはずなのに、気づいたら評価を受けることが目的になっていた時期がありました。そうならないためにも、自分が本当に心の底からやりたいこと、バカみたいに大きい夢でもいい、そういった思いを語り合いながら成長していってほしいです。夢は呪いじゃなくて希望です。一番自分らしい形で楽しく活動を続けていきましょう!