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高校生が描く新しい地域のカタチとは?/”問い”を育む 高校生たちの物語 #71

「”問い”を育む 高校生たちの物語。」は、カタリバオンライン for Teensで出会った全国の高校生の「未来」と「探究」を応援するインタビュー企画。

日常の小さな疑問や違和感、純粋な好奇心や”好き”から、迷いながら一歩ずつ「マイストーリー」を歩む高校生を紹介します。

 

おかもっちゃんプロフィール

「地域みらい留学」で岩手県の高校に通う3年生。全校生徒50人ほどの小規模校で、神楽部と山岳部(部長)に所属。趣味は、川で泳いだり、キャンプや釣りを楽しむなど自然の中で過ごすこと。

 

“食品ロス”から”グリーンツーリズム”へ ー 進化する探究テーマ

 

Q:今取り組んでいる探究活動/マイプロジェクトについて教えてください

 

現在は「グリーンツーリズム」をテーマに探究活動を行っています。
昨年までは「食品ロス」をテーマに取り組んでいました。農業で廃棄される規格外のシャインマスカットをジャムに加工したり、剪定枝を使ったリース作りのワークショップを開催したりして、廃棄物の再利用を模索しました。

 

今年になって、農家さんや市の方々とお話をする中で「グリーンツーリズム」という取り組みを知りました。都市部の人が農村に来て、地元の文化に触れたり農業体験を楽しんだりする活動です。しかし私が住んでいる大迫(おおはさま)では、グリーンツーリズムがまだ十分活用されていません。現在は校外学習で小中学生が一度農業体験をするだけで、継続的な地域活性化には結びついていないのが現状です。

 

そこで今年は、実際にグリーンツーリズムを実施している農家さんと話し合いながら、現実的なプランを考えることを目標に活動を進めています。

 

▶︎規格外で廃棄されるシャインマスカットを活用し、ジャムを製造・販売

 

楽しめる探究へたどり着くまでの3年間

 

Q:探究活動/マイプロジェクトを通じて、どんな学びや変化がありましたか

 

一番大きな変化は、プレゼンテーションスキルが確実に身についたことです。また、田舎の不便さの中にも良さがあることや、自然の心地よさに気づけるようになりました。特に秋の大迫は、美しい景観が広がりおすすめの季節です。

 

そして何より、自分の興味のあることへの理解が深まったと感じています。最初は農業そのものに興味があったのですが、活動を続ける中で「農業から生まれる人と人とのつながり」により強く惹かれるようになりました。

 

実は1年生の時に探究活動として、大迫の景色を撮影してパンフレットを作ろうとしたものの、何もできずに終わってしまいました。2年目も農家さんや親にサポートしてもらいながらシャインマスカットのジャム作りはできましたが、自分一人でやりきった探究ではないという感覚がありました。

 

ですが3年目になって、実際にグリーンツーリズムを行っている農家さんの想いに触れて、やっと探究活動を心から楽しめるようになりました。

大切だと思うのは、自分で考えられるところまで考え抜いて、できなくなったところで人に助けを求めることです。頼れる先があるということの大きさを実感しています。

 

Q:これからどんなことにチャレンジしていきたいですか

 

大学は農業系に進学予定です。関東の都市部で学び、いろんな人を支えられるスキルや知識を身につけて、いずれは大迫に戻ってきたいと考えています。

 

この地域で過ごした3年間で、地域の人たちの温かさや、人と人とのつながりの大切さを実感しました。今度は自分が、この素晴らしい地域のために何かできる人になりたいです。

 

全国の仲間や大学生キャストとの出会いが自信に

 

Q:今回カタリバオンライン for Teensに参加した理由を教えてください

 

学校で知ったマイプロジェクトアワードに参加したのがきっかけでした。カタリバオンライン for Teensの会員登録をした直後は、なかなかプログラムに参加する勇気がなかったのですが、たまたまメールを開いた時に自分の興味がある農業系のプログラムがあり参加してみました。

 

Q:カタリバオンライン for Teensに参加してどうでしたか

 

とても満足のいく経験になりました。自分の考えとじっくり向き合えたことや、他の高校生と話せたことが刺激になって、とても有意義で楽しい時間になりました。安心できる場があったからこそ、不安も解消でき、自分の想いを素直に表現することができました。

 

一緒に参加していた仲間たちは本当に尊敬できます。過ごしてきた環境や目的、思考が全然違う中で行ってきた活動を知ることができ、みんな明るくて素敵でした。大学生キャストの皆さんも話を引き出すのがとても上手で、当日のサポートも充実していて支えられました。

 

参加後は自信がつきましたし、新たな課題も見えてきました。これからは改善を重ねながら、また挑戦してみたいと思います!

 

Q:最後に全国の高校生へメッセージをお願いします!

 

「やってみればなるようになる」ということを、今回の経験を通して実感しました。
何か伝えたいことや意見がある人は、ぜひカタリバオンライン for Teensのプログラムに参加してみてください。

 

そして大切なのは、人に相談することです。まずは動いてみて、困ったら人に相談する。一人で抱え込まずに、周りの人を頼ってください。きっと支えてくれる人がいるはずです。
私自身、千葉から岩手という全く違う環境に飛び込んで、最初は不安でしたが、地域の人たちの温かさに支えられて充実した高校生活を送ることができています。環境が変わることで見えてくるものや、新しい発見がたくさんあります。

 

皆さんも自分の興味のあることを大切にして、積極的にチャレンジしてみてください!

 

▼おかもっちゃんが実施した好奇心のトビラはこちら!▼

【好奇心のトビラ】地域の個性が活かせる『グリーンツーリズム』(25年8月28日実施)